記事内にアフィリエイト広告が含まれます

macOSを搭載したPCがApple以外から発売、もちろんライセンス契約に違反

ニュース

OpenCore Computerは、アップルから法的ライセンスの許可なしにmacOSのクローン「Hackintosh」を搭載したパソコンの販売を開始しました。

Velociraptorと呼ばれるパソコンは、macOS CatalinaとWindows 10の両方を搭載したパソコンで、価格は2,199ドル(約25万円弱)です。

OpenCore ComputerがmacOSを搭載したパソコンの販売を開始

OpenCore Computerが販売を開始した新しいコンピュータの特徴はなんと言っても、macOS Catalina が搭載されている点です。

もちろん、これは「macOSを搭載できるのはAppleが販売するコンピュータのみ」というmacOSのライセンス契約に違反しています。

しかし、同社はこれを無視する形で、いわゆるハッキントッシュのコンピュータ「Velociraptor」を発売しています。

性能は?まさかのAMD搭載

OpenCore Computerのホームページによれば、VelociraptorにはmacOS CatalinaとWindows 10 Proがプリインストールされています。

同社によると、macOSは「通常のMacと同じように機能する」ということです。

また、AMD Ryzenのプロセッサー(3700X以上)を搭載し、8、12、16コアのCPU構成が選択できます。さらに、それぞれ最大64GBのRAMメモリ、Radeon VII 16GB HBM2のGPU、2TBのNVME SSD、4TBハードディスクが利用できます。

価格はベースモデルで2,199ドルから始まり、フルカスタムの構成で4,819ドルになっています。

見た目も含め、Mac Proに対抗するモデルとして発売しているようなので、普通のコンピュータよりは値段が高くなっていますが、Mac Proと構成すると手の届きやすい値段と言えるでしょう。

支払いは暗号通貨のみ

また、OpenCoreは、ビットコインの暗号通貨でのみ支払いを受け付けています。

これは、EULA(ソフトウェア利用許諾契約)を回避するための対策とみて間違いないでしょう。

また、会社が詐欺ではないことを証明するために、暗号通貨取引に消費者保護と詐欺防止対策をもたらした支払い方法の提供も行っているため、ただの詐欺の可能性は低いと考えられています。

ただし、これは取引での詐欺を防いだものであって、「届いたコンピュータが正常に動作するか」まで保証するものではありません。

つまり、届いたパソコンにmacOSが入っていたとして動かなければ意味はないのですが、残念ながらそこまで保証されてはいません。

AMD搭載のMacは動くのか?

そもそも、macOSを搭載したコンピュータにAMDのRyzenを採用しているのが疑問です。

確かに、近いうちにAMDに対応したMacBookは発売されると言われていますが、現時点ではIntelのみで、ソフトウェアの対応も十分ではありません。

まだAMD対応が発表されていないにも関わらずAMD Ryzenを搭載するというのは少し胡散臭いというのが正直なところでしょう。

「Macを搭載したApple以外のパソコン」はとても魅力的であるのですが、当然このVelociraptorは人に勧められるようなものではありません。

以前にも似たような事例が

実は以前にも似たようなことがありました。

現在はすでに存在しない会社ですが、Psystar Corporationは、2008年からいわゆる「オープンコンピュータ」を販売していました。

そして、そのコンピュータにはMac OS X Leopardをプレインストールするオプションが付いていたのです。

当時からMacのEULAは、サードパーティによるソフトウェアのインストールを禁止していたため、Psystarのコンピュータも当然この契約に違反していました。

そのため、Appleは2009年にPsystarを訴え、最終的には同社に対する差し止め命令を勝ち取っています。

今回も近いうちにAppleの法務部が何かしらのアクションを取る可能性は高いでしょう。

LINEMOLINEMO
タイトルとURLをコピーしました