中国「iPhoneは不合格端末」→その意外な理由とは?

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by 菊太郎

ごきげんよう、菊太郎です。

高機能端末として中国でも大人気のiPhone。

「優秀なスマホは?」と聞かれたときにまず答えるのはiPhoneと言われるほど評判の高いiPhoneですが、なんと中国では「不合格端末」の烙印を押されてしまったそうです。

各国で絶賛されているiPhoneが不合格になったというのはにわかに信じがたい話ですが、中国では一体何が起きているのでしょうか…?

中国当局の思惑か…

「iPhoneはスペックがインチキだし、カメラの性能が低すぎるから、中国当局は不合格端末に認定した」という衝撃的なニュースを中国国営メディア「CCTV」が伝えました。

iPhoneと言えば高級端末の代名詞。

中国で発売されている激安端末の中には、「これをスマホと呼んで良いのか?」というほど残念な端末があるにもかかわらず、細部にまで気を配って製造されているiPhoneが不合格端末に認定されるとは正直意外ですよね。

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そもそもあれだけ高品質なiPhoneのどこが不合格だったのでしょうか?

「iPhoneは嘘つきだ!」←え?

中国当局がiPhoneは不合格端末だとした理由は、大きく分けて2つあります。

一つは「スペックがインチキだ」という点。

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iPhone(16GB)に内蔵している容量は16GBですが、OSやはじめから入っているアプリ(Safari、株価など)はそのうち2割ほど使ってしまうため、ユーザーが自由に使える容量は12.7GB程度になってしまいます。

これに対して当局は「12.7GBしか使えないのに16GBと書くのはおかしい。iPhoneはインチキな表示をして、消費者を混乱させている」と非難したとのこと。

確かに分かりづらい表記と言えば分かりづらい表記ですが、スマホのスペックを表記するときはユーザーが自由に使える容量ではなく、純粋に搭載されている容量を表記するのが業界的な常識

ソニーのXperia M4 Aquaの8GBモデルに至っては、ユーザー自由に使える容量がわずか1.26GBしかないので、それに比べてもiPhoneが特別ひどい表記をしているとは思えません。

もっと言ってしまうと、中国国内で販売されている商品の中には8GBしかないのに128GBとして販売している明らかなサギ商品もあるので、Appleが非難されるのはなんだか不思議な感覚ですよね。

そして当局が不合格端末だとしたもう一つの点は「カメラの性能が低すぎる」と言う点。

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当局が具体的に挙げている問題点は以下の通りです。

  • 露出補正が極端すぎる
  • 写真の明暗に隔たりがある
  • 画質が鮮明でない

たしかにiPhone 6 Plusのカメラには問題があり、一部端末では交換が行われたものの、DxOMarkのカメラベンチマークテストではiPhone 6 Plusのカメラが堂々の一位を記録

iPhoneのカメラは、解像度が低いのに高画質(=写真のファイルサイズが小さいのにキレイ)を実現しているので、解像度を上げることで高画質を実現している他社のカメラよりもはるかに優秀なはずです。

それなのに中国当局がiPhoneに不合格端末の烙印を押したのは、どうやら他に理由があるようなんです…。

iPhoneの通信情報を政府に渡せ

まず一番最初に考えられる可能性としては「中国企業製スマホの売り上げを伸ばして自国の利益にするために、あえてiPhoneの評判を下げているのではないか」ということ。

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iPhoneは中国の富裕層間で大人気なので、「このままだと国内のスマホ市場はiPhoneなど海外の高性能なスマホに駆逐されてしまい、中国国内のスマホメーカーは大打撃になってしまう」と危機感を覚えた当局が、自国の産業を守るため人民に「iPhoneは不合格端末だから、国内メーカーのスマホを買ったほうがいい」という宣伝を行った可能性があります。

これは確かにある程度の信憑性はありますが、実はそれ以上に考えられているのが、「当局が個人のデータを入手しにくいiPhoneを排除しようとしたのではないか」と言うこと。

中国では大規模な情報統制が行われていることは有名ですが、治安維持の名目で携帯電話などの通信を当局が閲覧することも多々あると言われています。

中国企業製スマホの場合、当局の指示に従い端末の通信情報(メールの内容など)を簡単に開示する事が考えられますが、iPhoneの場合は別。

なぜならばiPhoneはユーザーのプライバシー保護のため強力な暗号化をほどこしており、仮にAppleであったとしてもiPhoneのデータ解読は不可能と言われているからです。

この状況を中国以外の各国政府もよくは思ってなく、アメリカの政府、法務省、警察は「暗号化の解除と、情報を政府に提供すること」をAppleに対して求めており…。

イギリスのキャメロン首相に至っては「政府が端末のデータを読解できないのは許しがたい暴挙だ」と発言するなど、「Appleは暗号化を取りやめて、端末のデータを政府が受け取れるようにすべき」と高圧的な対応に出ることが多くなっています。

比較的、個人の自由やプライバシーが保障されている英米ですらこの対応なのに、人民の統制を第一に考えている中国がiPhoneの暗号化を許せるわけがないですよね…。

中国としては国内でiPhoneの使用をストップさせたい勢いなのかもしれませんが、今やiPhoneの製造は中国にとって大切な産業の一つ

政府としても情報は手に入れたいけれど、Appleとの関係を悪化させたくない…というジレンマから今回のような「不合格端末の烙印を押す」という行動を取ったと思われます。

「治安を維持して人民の生活を守る」という大義があるにせよ、プライバシーを侵してまで個人データを入手するのは考えもの

もしもそのためにiPhoneを批判しているとしたら、中国当局はもうちょっと考えて欲しいですね…。

参考:MyDrivers via DxOMark

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