iPhoneの耐水性能は信用ならない?iPhone XS Maxが水深10cmに2分間浸かって故障
iPhone 7以前のiPhoneには防水機能などがなく、スマホ選びでAndroidが優れている点として取り上げられていましたが、今では当たり前に搭載される機能となっており「スマホ=基本防水」という認識の人も多いでしょう。
既存のiPhoneユーザーからもiPhone 4時代から防水機能搭載の要望があり、iPhoneシリーズ発売から9年目にして初搭載、世代毎に少しずつ性能を上げて今やIP68等級標準搭載なのですが、その耐水性能に疑問の声が上がっているようです。
経年劣化する?
先日中国のiPhone XS Maxを所有する移动叔叔さん(モバイルおじさん)がWeiboに、「iPhone XSを水深10cmで2分間使用したら故障した」とビデオ投稿しました。
Appleが公開しているiPhone XS Maxの仕様では耐水性能などについて、「IEC規格60529にもとづくIP68等級(最大水深2メートルで最大30分間)」と表記されており、彼の投稿を信じるなら1/20の水深で1/15の時間で水濡れ故障した事になります。
彼はすぐにAppleにこの故障したiPhoneを持ち込んだのですが、デバイス内に水が侵入しマザーボードが焼き付いたとして修理代4,600元(約69,840円)をされたとの事で、AppleがiPhoneの耐水性能を誇張している事、CMで耐水性能を強調している事に憤りを覚えているようです。
実は今年1月にも中国中央南部の貴州省で同様の事件が発生しており、iPhone XSを誤って水槽に落としたワンさんはすぐに水中から取り出し、乾燥剤などでできる範囲の処置を施したのですがFace IDが仕様できなくなり、Appleに持ち込むと移动叔叔さんの対応を受けたそうです。
Appleが公開しているIP68等級とは、「耐塵試験用粉塵(直径75μm)が入らないように保護されている」と「潜水状態での使用に対して保護されている(水に浸しても影響がなく製品を水中で使用するもの)」と定義されており、彼らの状況では壊れるはずはありません。
iPhone XSは初のIP68等級搭載機で、CMでもその耐水性能を強調するCMが多数放送されているものの、iFixitなどの分解レポートで耐水性のあるシーリングシール剤で実現している事が確認されており、iPhoneが電子機器である事を考慮するなら本来であれば、内部のシリコンコーティングやフッ素コートコーティングを施すべきだとは言われています。
iPhoneに採用しているシーリングシール剤は熱に弱いようで、分解時には本体や工具を温めてからと説明する分解レポートも少なくなく、このシーリングシール剤がiPhoneが発する熱で経年劣化し、IP68等級を発揮できなくなっていた可能性は十分考えられるでしょう。
耐水試験環境では当然新品のiPhoneが使用されますから、使用して経年劣化する事は考慮されていませんので、「購入時はIP68等級相当だけど浸かっていくとどんどん性能が下がる」と思っていた方が良いかも知れません。
まとめ
iPhoneは使用方法によっては内部が50〜60度近くまで発熱し、外装が体温よりもはるかに高くなるのはiPhoneユーザーの誰もが体験していると思うのですが、これが原因で耐水性能が下がるのだとすれば、やはり内部のシリコンコーティングやフッ素コートコーティングで耐水性能を担保して欲しいですね。
今回の件のiPhone XS Maxは購入から1年10ヶ月ほどだったそうですから、購入してから2年近くなったら耐水性能などはあまり過信しない方が良いのかも知れません。