Appleが検閲?香港で民主化促進のアプリをリリースできず非難の声が

香港の民主化運動を行っている人々はAppleがアプリの検閲をしたとして非難しています。
PoPVoteと呼ばれる非公式の選挙アプリがGoogle Playストアでは承認されているにもかかわらず、App Storeでは一向に承認されていないことが問題視されているようです。
Appleがアプリを恣意的にリジェクトしている?
香港の民主化運動を行う活動家たちは、中国からの弾圧へ対抗する運動の一環としてPoPVoteと呼ばれるアプリを作りました。
これは、非公式の選挙のようなもので、中国の弾圧に反対する候補者たちの人気投票を行う機能があります。
すでにiOSとAndroid向けどちらのアプリも製作が終わっていますが、App Storeにはいまだにアプリの承認作業が完了していないようです。
これを報じたQuartzによれば、一度目はAppleからいくつかコードに問題があるとして拒否されています。
その後、指摘された箇所を修正して再度申請を行ったにも関わらず、Appleからは一切連絡が返ってきていないと言います。
アプリの開発に携わっている人も「AppleによってPoPVoteが検閲されている」と感じていることを漏らしました。
Appleは以前からこの香港と中国を巡る衝突に対して沈黙を貫くなど、積極的に関わらない姿勢が非難されてきました。
今回の対応も中国政府に忖度した判断だったとすれば、今後非難の声は増え続けていくことになりそうです。
特にGoogleやAmazon、Microsoftといった多くの大手IT企業が中国当局の取締りを非難している今では、Appleのこの姿勢は大きな波紋を呼ぶことになりそうです。
PoPVote自体も現在は使用不可
さらに興味深いことに、このPoPVoteのサービス自体が現在は使用不可になっています。
理由は、かなり大規模なDDoS攻撃を受けているからです。
これについて、CloudFlareのCEOは「私たちはいまだかつてない規模でのDDoS攻撃を受けている」と明かしました。
これが中国当局の攻撃なのか、単に香港の自治独立を否定する人間や団体の攻撃なのかは分かりませんが、今後も香港情勢を巡る混乱は続くことになりそうです。