ARメガネは現実的ではない?BOSEがAR業界から撤退し対象商品を削除
2年前から「ARグラスはスマホに代わる次世代機」なんて言われていますが、一向にそんな代替わりの気配はなくスマホ全盛期といった感じですね。
ARグラス自体はまだ数は少ないものの世には出ているのですが、その内の1つである有名スピーカーメーカーBOSEが撤退を表明、商品を削除する自体になったようです。
理想と離れた商品開発
大手スピーカーメーカーであるBOSEは先日、2019年初頭から販売をスタートしていたARグラススピーカー「BOSE AR」プロジェクトを終了した事を明らかにしました。
この「BOSE AR」は既存のARグラス思想に音声を追加する新しい構想のARグラスで、位置情報や頭の向きや動きを検知する機能を搭載し、他社にはない音による情報提供や立体音響による「音のAR」を目指して開発されていました。
プロジェクト自体は2018年頃から表面化していたようで、「音のAR」は業界やギークの間でかなり話題にもなっていたのですが、どうも開発などがかなり難航していたそうです。
最終的に完成はしたものの、BOSEのスポークスマンが「私たちが想定したものにはなりませんでした」とコメントする事態となっており、おそらく初期思想や構想が開発で実現できず、かなり妥協した商品になってしまっていた事が明らかとなっています。
実は責任者やスタッフが退社または解雇されている状態で開発チームは解散、サードパーティ機能を提供する各社開発者には今年4月に機能が使えなくなる旨を伝えられていたそうです。
そして「BOSE AR」という表記は現時点でHPから完全に削除されており、販売されていた「BOSE AR」商品ページも消去済み、一部モデルはサングラス型スピーカーシリーズ「Bose Frames」に統合されてしまったとの事。
BOSEは世界で最初にARグラスを諦めた企業と報道されており、不本意でしょうが業界で一番最初にARグラスに意味や世代交代を見出せなかった企業という事になりました。
まだまだ普及の兆しも見えないARグラスですが、果たしてARグラスがスマホに代わるデバイスになる日はまだまだ遠そうです。
まとめ
そもそもBOSEがAR分野に進出していた事自体知っている人がかなり少なそうですが、「音のAR」というワードは音楽好きな人などにはかなり魅力的なワードだっただけに、BOSEが構想した「音のAR」が実現できず体験できなかった事を悔やんだギークも多かったようです。
AppleもARグラスの開発が度々報じられ、関連特許情報などもかなり出ているのですが、まだまだ出てくる気配は感じられませんね。