楽天がAppleを批判?デジタルブック販売事業について独占禁止法違反で訴訟

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by メカ村

昨日2019年度のApp Store売り上げが5,000億ドルを超えたとご紹介いたしましたが、この事業でAppleが開発者から30%の手数料を取る形について苦言を出している企業も少なくなく、ついに楽天はAppleを独占禁止法違反で訴訟するようです。

楽天は自社の電子書籍サービス「kobo」について、Appleが提供するApple Booksと比較し、手数料を取られるがために平等な競争になっておらず独占禁止法に抵触していると訴えているようです。

はじめから分かっていたハズの事

AppleはApp Storeで発生する売り上げの30%を手数料として徴収しているのですが、アプリによって売り上げを上げたいと考えている企業にとってこの30%は非常に悩ましい問題となっています。

今までにもこの30%の手数料について苦言や批判の声は多かったのですが、この手数料のせいで自社サービスは利益を阻害され平等な競争を行えていない、と楽天はEU委員会に独占禁止法違反で訴訟している事が明らかとなりました。

楽天によれば、販売する電子書籍の売り上げから30%の手数料が引かれると商売にならないため、現在はこの手数料を回避するために自社サイトでの購入をユーザーに半強制する形となり、iOSのkoboアプリはただの電子書籍リーダー状態となっています。

この動作はユーザーにとって非常に不便であり、この状況を作り出しているAppleは自社アプリであるApple Booksでは手数料が発生せず不平等である、という事なのですが…自社サービスなのですから当たり前ですし、本来ならAppleは手数料を迂回するアプリを強制削除する事もできるはずです。

わかりやすい例でAmazonのKindleがそうですが、リリース当初はiOSアプリ版でも電子書籍を購入できたものの、Appleに指摘されて仕方なくAmazonサイトで購入したものを見るリーダーアプリに変更しました。

これはAmazonが手数料を引かれる事を嫌がり、かつAppleのアプリ利用規約に抵触しない「法の穴」的な処置で、Appleもこれを潰そうと思えばストアから削除する事もできますが、逃げ道としてそのままにしている状態です。

またAppleは2008年からこの条件でストアを展開しているワケで、何もkoboがリリースしてから30%の手数料システムを導入したワケでもないですし、何ならkobo側は利用規約に書いてある手数料を了承しているからこそアプリをリリースできている(利用規約への同意)ワケです。

リリースからずっと赤字の楽天koboはこの状況について文句を言っている状態で、言ってしまえば「iOSアプリ版でも電子書籍を購入できるようにして手数料を支払いたくない」と、なんとも子供のようなワガママを言っていると言えます。

まとめ

Appleは明確にデジタルコンテンツやデジタルサービスをアプリで展開する場合は30%の手数料を、通販などの物販については手数料を取らないと明言しており、楽天koboがアプリをリリースした後に文句を言っている状況はなんだか見苦しさもありますね。

エコシステムを第三者が使って利益を出すなら利用手数料を払うのは当然だと思うのですが、それを嫌うのに使う企業はAppleからしたら「じゃあ使わなきゃ良いのに」と言われても仕方がない立場と言えるでしょう。

参考:9TO5Mac

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