平和的な抗議を!Appleの閉鎖したApple Storeをメッセージキャンバスへ
黒人男性が警察官に拘束されている最中に死亡した件を受け、アメリカでは大規模な抗議活動が行われ、その一部が暴動や略奪事件などに発展しApple Storeの店舗も被害に遭っているとニュースになっていますね。
差別への抗議デモが結果的にさらなる差別のきっかけを生み出しているこの状況に、Appleはアメリカ全土のApple Storeを閉鎖しシャッターや木の板で塞いだのですが、これがアーティストらによって平和を訴えるメッセージキャンパスへと変わっているようです。
平和的な解決が行われる事を願って
アメリカで大規模な抗議活動を発生するきっかけとなったジョージ・フロイドさん死亡事件、彼は警官に膝で首を押さえつけられる形で拘束され、警官に「息ができない」と何度も呼び掛けますが無視され死亡してしまいます。
この警官の横暴に各地で黒人らによるデモが展開されたのですが、非暴力で平穏だったデモ隊に対し警察がスタングレネード・催涙ガス・ゴム弾での鎮圧を行った事で一部が暴徒化し、各地で暴動や略奪が発生する事態へと発展します。
そしてその暴徒ら(あるいはそれに扮する者)は全く関係ない商業施設などに便乗的に略奪行為を働いており、黒人差別の抗議デモは一転して黒人らによる無差別の略奪行為として報じられるという悲しい結果になっています。
少なくとも現在までに12箇所のApple Storeが襲撃に遭い、Appleはアメリカ全土の店舗を閉鎖しシャッターを下ろしたり、ガラス張りの店舗は木の板で進入できないようにしたりしたのですが、この木の板がアーティストや有志らによって平和を訴えるメッセージキャンパスへ変わりました。
❤️ #BLM in #Naperville pic.twitter.com/1FGDvsPoCE
— Tobey Sanford (@TobeySanford) June 3, 2020
入り口がガラス扉で木の板によって塞がれたApple Storeに多くの人々が集まり、ハート型などに切り抜かれたメモに思い思いのメッセージを書き、まるで寄せ書きのようにびっしりと貼られています。
多くのメッセージには「Black Lives Matter(黒人の命にも価値がある)」と書かれており、これは2013年に発生したとある黒人差別事件をきっかけに生まれたハッシュタグの1つで、BLMとも略されて使用されています。
I learned a thing or two from my kids today and #Naperville youth.
— JT Patten – Author (@JTPattenBooks) June 3, 2020
They aren’t satisfied waiting for a change or recognition of injustice, they are doing it.
I’m learning a lot, actually. pic.twitter.com/vG6IkVmbGq
黒人差別は非常に長い歴史があり今も根深い問題として世界中で問題となっており、BLMは特に「白人警官による無抵抗な黒人への暴力や殺害」「人種による犯罪者に対する不平等な取り扱い」について活動する際に用いられます。
実はアメリカで黒人が警官に殺される確率は白人の3倍にもなるそうで、これは誤差の範囲ではなく確実に差別が生み出した結果としてかねてから問題となっており、今回のような平和活動は少しでも多くの人々へ認知され、平和的な解決が行われる事を願って行われているようです。
まとめ
今回は黒人差別がきっかけで発生した平和抗議活動でしたが、アメリカの人種差別は大枠でもインディアン・メキシコ系・アフリカ系・アジア系・アラブ系・カトリックなど非常に多く、またその内容が露骨で排他的な(そもそも白人系アメリカ人の多くはイギリスからの侵略者なので排他は厳密には違う)事からこの数百年間で戦争なども発生しています。
科学も非常に進歩し以前より格段に文明的な世界になったはずなのですが、未だに数百年前から続く人種差別などが根強く残り続けているので、我々が生きている間には到底解決する事のない問題なのかも知れません。