暴動は白人主義の陰謀?Twitterの扇動アカウントは白人主義団体の作った偽物と判明

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by メカ村

黒人男性が警察官に拘束されている最中に死亡した件を受け、アメリカでは大規模な抗議活動が行われ、その一部が暴動や略奪事件などに発展し世界的に注目を集めるニュースとなっています。

この暴動についてSNSなどでは様々な意見が寄せられたりしているのですが、なんと暴動を呼びかけていたとされるアカウントが白人主義団体の作った偽物と判明しました。

事実確認の必要性

アメリカで大規模な抗議活動を発生するきっかけとなった黒人男性死亡事件、5月25日に警察に拘束されていたジョージ・フロイドさんは警察官に膝で首を押さえつけられ、「息ができない」と何度も警官に呼び掛けますが無視され、そのまま窒息で死亡してしまいます。

この様子は周囲の人間によってライブ配信や動画撮影がされており、フロイドさんは警察官に膝で首を8分46秒間押さえつけられ死亡、フロイドさんの反応が全くなくなったにも関わらずさらに2分53秒間押さえつけた様子が確認でき、検視では3人の医師により「殺人による死亡」と判断されました。

そしてこの事件を知って黒人らによる抗議活動が開始されるのですが、非暴力の平穏だったデモ隊に対し警察がスタングレネード・催涙ガス・ゴム弾での鎮圧を行った事で一部が暴徒化し、各地で暴動や略奪が発生する事態へと発展します。

そして反ファシスト団体の「ANTIFA」を名乗るアカウント(@ANTIFA_US)が暴動を呼びかけたり、市街地への進行などを扇動するツイートを行い、これをトランプ大統領の息子がスクショしてInstagramにテロ組織だと掲載、トランプ大統領は「ANTIFAをテロ組織に指定する」と宣言するに至りました。

しかしこのANTIFAを名乗るアカウント、実はANTIFA関係者ではなくむしろ敵対組織となる白人至上主義組織「Identity Evropa」による偽物のアカウントだと判明しており、ざっくり言えば白人至上主義者が黒人をより悪く見せるためにデタラメな発言をしていたのです。

Twitterによる調査によってこの事実が発覚しアカウントは削除処分されたのですが、本来関係ないANTIFAが偽物の発言で悪者にされ、大統領にテロ組織指定発言されるなんて組織側にとってはたまったもんじゃありませんね。

この件を受けトランプ大統領の息子はスクショの投稿を削除しているもののノーコメント、トランプ大統領もテロ組織指定について特に言及はしておらず、SNSの事実関係確認がいかに大切であるかを知らしめる事となりました。

ちなみにこのアカウント、作られたばかりでフォロワーも結局数百人程度しかいなかったのですが、そんなアカウントをすぐさま大統領の息子が見つけて拡散し、大統領もいきなりテロ組織する姿勢をとった迅速すぎる反応に、一部では大統領の息子が白人至上主義団体に属して先導していたのではないか?とも囁かれています。

まとめ

これらの暴動などの事件を受け、フロイドさんの弟テレンス・フロイドさんは「あなたたち(暴徒)の怒りは私の半分以下なのに、一体何をしているんだ」「暴力的な方法ではなく平和的な解決をしよう」と、兄の死亡した現場で涙ながらに拡声器で訴えかけています。

トランプ大統領とその息子は今回の偽アカウントについてだんまりですが、SNSなどのネット情報をすぐさま鵜呑みにし行動を起こす事がいかに愚かであるかわかる事件となりましたので、複数の情報などから事実確認をして、ネット情報の確度を確かめるよう心がけたほうが良いのかも知れません。

参考:NBC NEWS

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