iPhone SEはジャパンディスプレイ救済策?唯一のサプライヤーであると判明

一時はiPhoneのディスプレイサプライヤーとして世界に名を馳せたジャパンディスプレイ、しかし今や落ち目の企業と言われなぜ存続できているかもよくわからない(後述)企業と成り果てていました。
しかし先日、あたらしいiPhone SEに使用されているディスプレイが全てジャパンディスプレイ製である事が明らかとなり、iPhone SEはジャパンディスプレイの救済策なのではないか?と噂になっているようです。
ジャパンディスプレイ独占
ジャパンディスプレイは2011年にソニー・東芝・日立のディスプレイ事業部を統合しできた会社で、官民出資投資ファンドから2000億円の出資を受け、2012年から事業を開始しiPhone 5〜7までと廉価版などへディスプレイ提供しています。
しかしその運営姿勢は褒められたものではないようで、設立時に世界中のディスプレイ企業が取り組んでいた有機ELを未だ量産できず、またその技術力があるのかもわからず、そして一般企業ならとっくに倒産していておかしくない経営状況で工場を新設する事もできません。
ジャパンディスプレイはその売り上げの70%ほどをAppleに依存しており、仮にAppleが液晶ディスプレイの使用を止めるような事態になれば倒産は必至と誰もが思うほどの状況で、実際にAppleがOLEDをフラグシップ機に採用してから現在までずっと赤字経営です。
そのジャパンディスプレイがずっと赤字でも破綻しない理由は、「投資ファンドが巨額投資していて潰れると困るので継続投資しているから」であり、一番多く投資している官民出資投資ファンド、つまりは税金が原資の出資を今までに4,600億円以上を受けています。
他にもAppleを含め多くの企業などから多額の出資を得ているにも関わらず5年連続赤字決算、幹部による約5億7800万円の横領、130億円の不正会計なども見つかっており、極め付けは5年連続赤字決算なのに社員の平均年収が平均値496万を大きく上回る706万円と、誰が見たって異常な経営姿勢なのがわかります。
それでも前述のとおり、巨額出資しているファンドは倒産するとこれまでの出資がそのまま損失になってしまうので出資を続けるしかなく、Appleも巨額出資している身として液晶ディスプレイを採用し、以前から登場を望まれていたiPhone SEを出したのでは?と言われています。
Appleとしてもサプライヤー1社にこれ以上の出資はできないでしょうし、SAMSUNGからの液晶ディスプレイ供給を嫌って採用したジャパンディスプレイに今更倒産されると、液晶ディスプレイを新たなサプライヤーに0から受注しなくてはならないので、iPhone SEで出資代りの支援にしたとも考えられます。
すでに772億円の債務超過に陥っているジャパンディスプレイが新しいiPhone SEだけで黒字転換できるとは思えませんが、これを転機に経営を刷新しぜひ日本を代表する企業に返り咲いてほしいですね。
まとめ
2000年代は日本のガラケー市場で液晶ディスプレイがハイテクノロジーとして大変潤いましたが、そこに胡座をかいて新技術の開発や量産化に漕ぎ着けなかった時点で、ローテクノロジーと化した液晶ディスプレイにすがるジャパンディスプレイのこの未来は確定していたんでしょうね。
現在は少量ながらOLEDの生産も行っているようなので、今回のiPhone SEでの原資を得てOLEDの生産や量産へ設備投資し、フラグシップ機へのOLED供給も行えるような体制になって欲しいところです。