iOSのシェアは下がってる?2020年4月時点のモバイルシェアで確認してみた

新機種を発表するたびニュースとなるiPhoneですが、昨年から「iPhoneの販売台数が減ってきている」「iOSのシェアが減ってきている」という識者らの見解がたびたびニュースとなって取り上げられています。
彼らの見解は本当に正しいのか?2016年からITシェアを調査・公開している調査会社のデータを実際に確認してみました。
誤差レベルの減少
2016年5月からPCやスマホ、OSやブラウザなどの利用データを調査・公開しているNET MARKETSHAREには、今までの各種シェアの推移を確認できるWebサイトを公開しています。
もし識者らの見解が正しいのであれば、NET MARKETSHAREのデータを確認した場合2019年から減少傾向を確認できるハズです。
NET MARKETSHAREで2018年5月〜2020年4月までのモバイルシェアを確認したところ、ざっくり下記のような結果になりました。
- ’18/4 Android 69.80%,iOS 28.62%
- ’19/4 Android 70.00%,iOS 28.17%
- ’20/4 Android 73.53%,iOS 25.99%
確かに2.5%ほどiOSがシェアを落とし、Androidが3.5%ほどシェアを伸ばしている事がわかるのですが、上図の2年スパンで見てみると大きな変化もなく誤差レベルである事がわかるかと思います。
ブラウザシェアでも同様の傾向が確認できるのですが、Safariのシェアが平均して26.62%でOSシェアとほぼ同じなのに対し、Chromeが63.67%と5%以上ポイントを落としている事から、iOSユーザーにChrome使用者がいる事を考慮するとAndroidユーザーがChrome以外のブラウザを使用している事がわかります。
調査してみるとどうやらAndroidの人気機種であるGalaxyシリーズが、2019年10月から独自のSamsung browserを展開しているのが原因のようで、2020年4月時点で4.41%もChromeからシェアを奪っています。
PCブラウザでも有名なFirefoxやOperaなどは2019年5月から急激にシェアを落としており、それなりに波はあるもののシェア1%の獲得もままならない状況のようです。
結果として、ブラウザシェアの実情を加味してもiOSのシェアが減ってきているというのは誤差レベルであり、コロナの影響ですべてのスマホ企業が打撃を受けているのでAppleに限らず業界全体の売り上げが落ちている、というのが正解のような気がします。
まとめ
Appleは最近iPhoneなどの販売台数を公開せず利益情報のみの公開となり、実際のシェアなどが測りにくくなっている+決算で売り上げが落ちている事から、「iPhoneの販売台数が減ってきている」「iOSのシェアが減ってきている」と噂されていたようです。
コロナウイルスの影響で業界全体の動きが緩慢になっているのですが、先日のあたらしいiPhone SEの発表でシェアが変動する確率はなかなか高く、今後の動きに注目が集まりそうです。