Appleは海賊版音楽を販売していた?別の音楽配信会社と共に訴訟される

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by メカ村

裁判系のニュースが絶えないApple、基本的には特許やクレームに関するものがほとんどなのですが、今回は音楽の著作権にまつわるものとなっているようです。

先日イギリスのとあるレコード会社がアメリカのレコード会社に訴えられたのですが、なんと原告側は「Appleが意図的に著作権侵害を無視して大規模な海賊版音楽の販売に加担していた」と説明しているんです。

昨年5月頃から問題視

2019年5月、SAミュージックとハロルド・アーレン・トラストが海賊版音楽データの著作権侵害などでAppleらを起訴しました。

この訴訟ではAppleの他にGoogle、Amazon、MicrosoftやPandoraが列挙されており、いずれも適切なライセンスを取得せずに楽曲を販売しているとし、148ページにも及ぶ訴状がカリフォルニア州の連邦地方裁判所に提出されました。

訴状によると、Appleらの企業は楽曲に対する配慮が足りず海賊版の流通や販売を許しており、これらを許すことは作曲者ら著作者の財産を侵害する行為だとしています。

そしてこの訴訟は1年近くで当時よりもかなり大きな規模の訴訟に発展しており、SAミュージックとハロルド・アーレン・トラストに追加して、RCAレコードとレイヘンダーソンミュージックとフォージェイズミュージックも参加する事態になっています。

そして原告側は「Appleが意図的に著作権侵害を無視して大規模な海賊版音楽の販売に加担していた」とし、80曲以上の海賊版音源をイギリスのレコード会社Adasam Limitedと結託して違法販売していたとしています。

Appleはすでに6,000万曲以上の楽曲を音楽各社経由で提供しており、この中から80曲の海賊版楽曲を見つけ出して海賊版だという根拠を見つけて販売禁止にするのは不可能に近く、基本的にユーザーか企業側からの通報によって対応するしかできないでしょう。

以前の訴状では「絶対に海賊版をリリースできない環境を作り出す」事が求められていましたが、これがシステム的にも現実的にもほぼ不可能と悟ったのか、現在は「損害賠償と訴訟費用の支払いならびにAppleとAdasam Limitedの著作権侵害の永久禁止」に切り替えたようです。

Appleはこの件について現在何のコメントも発表していませんが、「Appleが意図的に著作権侵害を無視して大規模な海賊版音楽の販売に加担していた」点が今後の争点になると考えられています。

まとめ

Adasam Limitedが海賊版をiTunesなど販売していたのは間違いなく、販売社名をBlue OrchidやSix Week Smile、Atlantic Motionなど変えて登録しており、「Appleと結託していた」というよりは「Appleに見つからないようにしていた」という方が正しいでしょう。

この訴訟が済んだ後にApple側から名誉毀損などで訴える別問題に発展するような気がしなくもないですが、訴訟大国的に原告側は問題をできるだけ大袈裟で悪質なものに見えるように説明しなくてはならないのかも知れませんね。

参考:Appleinsider

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