TSMCは4月にもAppleのA14チップの生産を開始、iPhone12の量産に追い風か

台湾の大手半導体メーカTSMCは4月にもAppleのために5nmチップの大量生産を開始するという噂が出てきました。
コロナウイルスの影響で製造の遅れなど後ろ向きなニュースの中、久しぶりに明るい話題かもしれません。
1ヶ月以内にiPhone 12のチップが製造開始か
中国のテック系ニュース専門サイトYeskyは、「TSMCは4月から5nmチップの大量生産を開始し、最初の受注はAppleにわたるだろう」と報じました。
この5nmチップはAppleのiPhone 12に採用されるA14チップと考えられているため、比較的早い段階で大量生産が開始されることはiPhone 12自体の大量生産にとって追い風となるでしょう。
もちろん、チップだけでiPhone 12が完成する訳ではないので、依然としてiPhone 12の発売時期は不透明です。
また、Appleの他にもHuaweiとサムスンがTSMCに5nmチップの生産を依頼しており、そちらも順次生産していく予定となっています。
5nmのA14チップはすごいのか
1月にAppleは「TSMCの最初の5nm A14プロセッサが80%を超える画期的な歩留まりを記録した」とするレポートを掲載しました。
この場合、歩留まりとはある数のプロセッサのうち良品の割り合いを指しています。そのため、この値が大きいほど不良品の数が少ないことを意味し、生産コストは下がります。
そのため、高機能なプロセッサが比較的安価でたくさん生産することができるのです。
しかし、TSMCの5nm A14プロセッサのすごいところは歩留まりの高さだけではありません。
例えば、7nmと比較して、AppleのA14のトランジスタ密度は1.8倍になり、速度が15%増加します。
言い換えれば、7nmに比べ小型化と高速化が実現しています。
そして、さらに消費電力は30%も減少すると言われており、電池を改善することなくiPhoneの駆動時間を伸ばすことができます。
このように、iPhoneの頭脳とも言えるA14チップが来月から生産に入るというニュースは、Appleにとって久しぶりに良いニュースとなりそうですね。