App Storeに関する「企業秘密」が書かれた本が発売?Appleが差し押さえを要求

Appleは元マネージャーのトム・サドフスキに、彼が書いたAppleでの仕事に関する本を回収するよう要求しました。
同社は、その本が「経済的な価値を持つ企業秘密」を含んでいると主張しています。
「App Storeの秘密」が書かれた本
2014年から2019年の間にドイツ、オーストリア、スイスでApp Store社長を務めたトム・サドフスキ氏は「App Store Confidential(App Storeの機密)」というタイトルの本を出版しました。
これについてAppleは、この本が同社にとって「かなりの経済的価値のあるもの」を含んでおり「企業秘密」を暴露しているとして出版の差し止めを要求しました。
同社の弁護人はサドフスキ氏に対して「本の差し止めと原稿の破棄」を要求しています。
また、同社が報道や出版の自由を全面的に指示していることを強調し、今回のケースは単にサドフスキ氏が「雇用契約に違反した」ことが問題だとしています。
しかし皮肉なことに、今回の騒動は結果的にこの本の売り上げを伸ばすことになるかもしれません。
話題になればそれだけ多くの人が買うことになるでしょう。
本当にその本には重要な企業秘密が?
さて、気になるのは、その本にはどのような秘密が書かれているのかという点です。
実はこれについては著者である彼自身が「秘密の暴露」を否定しています。
彼は、この本があくまでもApp Storeのドイツ事業を率いたサドフスキ氏の個人的な証言であると述べています。
つまり、Appleのビジネスを分析した本でも、内部情報を書いた暴露本でもなく、彼の個人的な体験談にとどまっているとしています。
現在この本は、ドイツ語のみですが、電子版とハードブックの両方がドイツのAmazonから入手可能です。