Googleマップに偽の渋滞を作り出すことは可能なのか?スマホ99台を使った興味深い実験

「スマホを99台集めれば、意図的に人の往来をコントロールできるのではないか?」
そんな発想から生まれた興味深い実験についてのレポートが報告されました。
目次
Googleマップに偽の渋滞を作り出す実験
「カートに99台のスマートフォン積みながら移動させることで、Googleマップに仮想交通渋滞を作りました。マップ上の道路を赤い渋滞表示にし、車のルートを変えさせることでリアルな世界への影響を与えることができる」とツイートしたのはドイツに住むアーティスト、サイモン・ウェッカート氏です。
99 smartphones are transported in a handcart to generate virtual traffic jam in Google Maps. Through this activity, it is possible to turn a green street red which has an impact in the physical world by navigating cars on another route! #googlemapshacks https://t.co/3gixMxopE6 pic.twitter.com/6KcMm1XgAF
— Simon Weckert (@simon_deliver) February 1, 2020
彼は、スマホを大量に集めればGoogleマップ上に偽の渋滞を作り出すことは可能なのかという実験を行いました。
そして見事に99台のスマホを集めることで、存在しない渋滞を作り上げ、Googleマップ上に渋滞を示す赤色の線を出現させたのです。
これは、Googleマップが渋滞を判断するために任意の区画にどれだけのGoogleマップユーザーがいるかという情報を使っていることが原因です。
そして、他のユーザーがGoogleマップを使うと、マップはその道(渋滞)を避けるような道へ案内するため人々をその区域から遠ざけるように誘導する結果になります。
つまり、大袈裟に言うならば、大衆の動きを部分的にコントロールすることを意味するのです。
99台のスマホを使った実験の概要
実験の様子は次の動画から確認できます。
まず、手押しのカートに99台のスマートフォンを入れます。
全てのスマホはGoogleマップを起動した状態にしてあります。
あとは、その手押しカートを引っ張りながら道路を歩き回るだけです。
これだけの「単純な方法」で本当に仮想的な渋滞を引き起こすことができるのでしょうか?というのが今回の実験のポイントです。
結果は見事に成功したようで、彼の移動した場所を示すように渋滞をしめす赤い線が移動していきます。
似たような現象はすでに現実世界でも
実はこの内容自体は、この実験以外の場面でも確認することができます。
例えば、歩行者が多い場所ではGoogleマップが間違えて渋滞が発生していると判断することもあるようです。
こう言う事でしょう。
— kainshorse (@monozukina21) February 3, 2020
赤いのは皆人だと決めつけても
いい場所。 pic.twitter.com/IssmVVEIfX
また、深夜に客待ちをするタクシーが原因で存在しない渋滞を作り出していることもあるようです。
深夜に渋滞情報が出てる道路、これ。具体的には客待ちしてるタクシーのせい。 https://t.co/g2zd821rpm
— nikq (@nikq) February 3, 2020
渋滞があるかどうかを事前に把握できる機能自体は大変便利ですが、このように少し小細工をすることで人為的に新しい渋滞を作り出せてしまうことが分かりました。
これは何も渋滞の話やGoogleマップだけの話ではなく、少し情報を操作されるだけで簡単に私たちの行動が変えられてしまうということに気付ける貴重な実験ではないでしょうか。
皆さんは真似をしないでくださいね。