iPhoneの外装インクは日本製!クックCEOも訪問したセイコーアドバンス社とは
皆さんはiPhone 11で採用されているバックパネルのインクが日本製である事をご存知ですか?
先日Appleのティム・クックCEOも日本にあるインク工場の視察に訪れたのですが、この工場を運営するセイコーアドバンス社とは一体どんな会社なのでしょうか?
世界で唯一の施設を持つ工場
セイコーアドバンス社は非常に幅広い種類と用途のインクを扱っている埼玉の企業で、今回クックCEOが視察したのは管理本部・埼玉工場だそうです。
iPhoneで使用されているセイコーアドバンス社のインクは、一般的なインクに含まれている様々な有害物質を使用せずに作られており、Appleはかねてよりクリーンなエネルギーや環境開発などに努めている事から、セイコーアドバンス社のインクを採用したと考えられています。
特に新色のミッドナイトグリーンについては、有害性のある物質を使用せずに鮮やかで暗い緑色を出す事が難しいそうですが、セイコーアドバンス社の有する世界唯一の施設がそれを可能にしているとの事。
その施設とは温度と湿度の制御を可能にするクリーンルームを備えた世界で唯一のインク工場で、高い品質管理と一般的な工場では制作できないクリーンで発色の良いインクを開発できるそうです。
Seiko Advance is a great example of our invaluable suppliers here in Japan. Thanks to their craftsmanship and attention to detail, the gorgeous colors of iPhone 11 Pro really come to life! pic.twitter.com/PFEuXo7Fy0
— Tim Cook (@tim_cook) December 10, 2019
かなりの頻度で人の手に触れるものですから、ほとんど影響がないとは言えクリーンな製品が採用されている事は単純に安心に繋がりますね。
セイコーアドバンス社は上記で説明したミッドナイトグリーンの他、すべてのiPhone 11シリーズのカラーインクを制作・提供しているそうです。
ジャパンディスプレイ以降久しく日本の工業技術が世界的なニュースになる事はなかったのですが、こうして日本の工場が世界的に注目を集めるというのは懐かしくも嬉しい反応ですね。
次世代のiPhoneにこうしたカラーパネルが実装されているかは定かではありませんが、これからも日本のAppleサプライヤーとしてぜひ活躍していただきたいです。
まとめ
ちなみにAppleにセイコーアドバンス社が売り込みに訪れた際、Appleの技術水準を満たしたインクを提供できず業務提携を結ぶ事ができなかったのですが、試行錯誤してAppleの要望を満たすインクを開発し採用される運びになったそうです。
現在セイコーアドバンス社の売り上げの40%がAppleからのものになっているそうで、クックCEOは「お互いに助け合って共に成長しイノベーションを起こしてきました」と語っているそうです。