AppleはなぜMacにタッチスクリーンを採用しない?考えられる7つの理由

2007年にiPhone、2010年にiPadをリリースし世界中を沸かせたApple、そのシンプルなデザインとタッチスクリーンを採用したデバイスは、今や世界中のモバイル機器のベースデザインとなっていますね。
しかしAppleは他にディスプレイを持つMacシリーズにだけタッチスクリーンを搭載しようとしないのですが、それは一体なぜなのでしょうか?
聞けば納得7つの理由
iPadがリリースされた頃から、Macのディスプレイにもタッチスクリーンが搭載されるのでは?といった噂や偽のリーク情報が数多く飛び交いましたが、10数年タッチデバイスをリリースし続けるAppleは一向にその気を見せません。
これには7つの搭載しない理由があるそうなので、順に見ていきましょう。
人間工学的観点
実はiPadをリリースした2010年、今は亡きApple創業者であるスティーブ・ジョブズはMacにタッチスクリーンを搭載しないか聞かれ、それを完全に否定するという場面があったそうです。
当時ジョブズはこのアイディアを否定する理由について人間工学的が全てだと語っており、ジョブズが行なったテストによって人間は垂直状態のタッチデバイスを使用する事で短時間で極端に疲れる事を発見したそうで、搭載しないと言い切ったそうです。
バッテリー問題
通常のディスプレイとタッチセンサーを搭載したディスプレイではバッテリーの消費量が大きく異なり、仮に搭載したデバイスをリリースしたとしても同サイズのMacより極端にバッテリーでの駆動時間が減ってしまいます。
同様にバッテリーの充電機会が増えるので自体の寿命期間を縮めてしまう要因にもなりますし、Macそのものの寿命を縮めてしまいかねない仕様になってしまいますね。
価格高騰
総合的な性能面などから見ればMacはコスパの良いPCなのですが、それでも一般のPC市場から見れば高級ブランドPCであり、画面をタッチデバイスに換装すれば価格も大きく跳ね上がってしまうでしょう。
iPhoneを使い始めてからMacに切り替えたライトユーザー層も少なくなく、こうしたユーザーの市場からかけ離れてしまうような価格設定はAppleも望んでいないと考えられます。
指紋の付着
iPhoneやiPadを使っていればわかる事ですが、タッチデバイスは画面を指で触って操作する性質上指紋が画面に付着する事が前提となっており、これはPCにとって致命的な仕様になってしまいます。
そもそもPCの画面が指紋で汚れるというのは現代のPC事情ではほぼ皆無であり、頻繁に触るなら頻繁にクリーニングする機会も増え、単純にMacを使う事自体が面倒し感じてしまう可能性も十分考えられますね。
入力問題
タッチスクリーンは高度な技術によって確立されていますが、それでも文字などの入力精度はキーボードよりもはるかに劣り、作業効率などを大幅に悪化させる可能性があります。
またタッチスクリーン入力の固有の問題点として、汚れなどによるゴーストタッチ(勝手に何かしらの入力などがされる現象)といったPCでの作業に差し支える問題がある以上、指にしか反応しないようなタッチスクリーンでも開発しない限り搭載は考えられません。
ソフトウェアの互換性
PCソフトというのは基本的にキーボードとマウス(あるいは入力パッドなど)で操作する前提で設計されており、急にタッチデバイス化したところで対応に時間がかかったり、あるいはほとんどのアプリがタッチ操作に対応しない、なんて事も考えられます。
特にPCは画面上に複数のポインターが存在するよう設計されておらず、iPhoneなどでは当たり前なマルチタッチという状況でどのような挙動をさせるか、といった面倒な問題が数多く発生します。
代わりのソリューション
そもそもMacにはマジックパッドと呼ばれるタッチ操作に近しい操作感の入力機器がすでにあり、なんなら最近iPadと連携できるSidecar機能が搭載されたので、わざわざMacをタッチディスプレイ化しなくてもそれに近い操作感は実現できています。
iPadとMacを連携させる事で今まで説明した7つの理由をほぼすべてクリアできるので、AppleはこれからもMacのディスプレイをタッチディスプレイに置き換える事はまずあり得ない、と言えますね。