経営不振の限界?ジャパンディスプレイの工場をAppleとSHARPで取り合いか

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by メカ村

世界でも有数の技術力と知名度を誇るジャパンディスプレイは、iPhone 5〜iPhone 7までの機種と各廉価版にディスプレイを提供し、Appleが経営支援するほどの魅力ある企業でした。

しかしスマホのディスプレイにOLEDが採用されるようになってから経営不振が続いており、今会社のメインとなっている工場の購入権をAppleとSHARPが取り合いになっている可能性が高いようです。

稼働してない工場の権利

2015年、ジャパンディスプレイは1,700億円を投じ石川県白山市に白山工場の建造を開始し、翌2016年12月から稼働させ始めました。

しかし各社のスマホフラグシップモデルがOLEDを採用し始め、現在OLEDの工場を持たず量産することができないジャパンディスプレイの経営は落ち込み、上記の白山工場も今年の6月に稼働停止し、投資の失敗、役員全員の辞任、5年連続の赤字、役員による横領の発覚など最悪の事態になっています。

しかし、ジャパンディスプレイが保有している白山工場の技術水準は液晶ディスプレイ部門では世界トップレベルであり、OLEDこそ量産できないもののスマホや各種電子機器を生産している企業にとっては大変魅力的な物件になります。

現在この工場を買い取ろうとしている企業が少数ながらいるそうで、情報によればAppleとSHARPが名乗りを上げている状態のようです。

この工場はジャパンディスプレイの株式を購入する形で取引が模索されているそうで、最大450億円で白山工場を各社は手に入れる事が可能との事。

世界に誇るディスプレイ企業の1,700億円最新鋭工場が最大450億円で手に入る、というのはディスプレイ工場を持たない企業にとって大変魅力的に映るでしょう。

現状ジャパンディスプレイの負債は8億ドル(約875億円)なので完済する事は不可能、Appleから営業利益の60%を得ていてそれを失う事を考えると、ジャパンディスプレイにとってはかなり難しい取引になるのは間違いないでしょう。

稼働してない工場を売って経営を立て直すか、売らずに別の手法で今後運営していくのか、世界中が注目しているようです。

まとめ

以前は世界でもあれだけ有名な企業だったのですが、今や倒産の危機が常に側にある企業となってしまった事にはなんとも言えない悲しさを覚えますね。

経営不振や倒産の危機は1つの要因ではなく多くの要因が重なってできたものですが、現状の経営方法では倒産を免れられないジャパンディスプレイにとって、この話が吉と出るか凶と出るか注目している業界人はかなり多いようです。

参考:appleinsider

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