Appleは著作者に許可取得や報酬支払いを怠った?Apple Music訴訟へ

最近主流の音楽ストリーミングサービス、以前はアルバムや楽曲のデジタルデータの個別購入が基本でしたが、現在は月額で膨大な曲を聴けるサービスが多いですね。
Appleも音楽ストリーミングサービスとしてApple Musicをリリースしているのですが、著作者への許可や報酬支払いを行なったとして音楽管理組織に訴えられているようです。
契約を断り支払い無しの状況か
音楽著作権を管理する非営利組織Pro Music Rights(以降PMR)は先日、ニューヨークの南部地区連邦地方裁判所に「Appleが無許可で著作物を使用し報酬も支払っていない」として訴訟しました。
PMRはPRO(日本の著作権とは若干異なる)と呼ばれる音楽著作権をアメリカ国内シェア3位になるほど保有しており、その管理楽曲数は200万曲以上と言われ、もしAppleが訴えの通り無許可でストリーミング配信していたのなら大事件です。
実は11月にPMRはSpotifyに対しても同様の訴えを出しており、ほぼほぼ同様の内容で10億ドル(約1,095億円)を請求する事態となっているそうで、5億5千万回以上不正に再生されたとしています。
まだAppleの方では具体的な再生数などに付いて言及されていないのですが、訴状を見る限り15の著作に関する法律に違反しているとの事で、事実である場合はApple Musicというサービスそのもののあり方に疑問の声が出てくるかも知れません。
Appleは自社サービスの模倣や著作権などにはかなりうるさい方ですから、その企業が他社の著作権について取り扱いが疎かだったとしたら笑い話にもなりません。
原告側は2018年6月時点でこの事実を確認しており、Appleに対してPMRが管理する楽曲使用に関する契約を締結するよう書簡を出したそうですが、「強制ライセンス(後述)を取得する」と連絡が来ただけど、それ以降なんの音沙汰もなかったとの事。
強制ライセンスとはざっくり、著作者やその管理団体による許可制度を撤廃し、印税裁定で定められた額または規定の料金を支払えば許可なく著作物を誰でも使用できるライセンス制度となっています(日本には基本的に無い)。
しかしその支払いすらも確認できていないようで、今後法廷に提出された資料や当局の取り調べなどによって実態が明らかになっていくでしょう。
まとめ
少なくともPMR側は無許可で使用していたAppleに対し、1年以上前にライセンス契約をするよう書簡を送っている譲歩を見せており、訴訟内容が事実であればAppleは自社権利に厳しく他社権利に疎い企業という事になってしまうでしょう。
Apple側からのコメントなども今の所なく事実確認ができないのですが、Spotifyの例もあるのでAppleがやらかしている可能性も大いにあると考えられます。