アメリカ上院議員がiPhoneを「犯罪者の避難所」発言!公聴会で暗号化解除要求

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by メカ村

強固なセキュリティが売りでそれが人気の要因でもあるiPhone、強固すぎるが故に度々FBIなどの捜査機関と対立する事になったりしているのですが、なんと今回はアメリカの上院議員が相手のようです。

なんとiPhoneの事を「犯罪者の避難所」と比喩し、暗号化を実質的に解除してしまうような要求をしているようです。

どうしてもiPhoneの通信を盗聴したいらしい

先日、アメリカの上院議員であるリンジー・オーリン・グラハム議員が主催した「暗号化と合法的アクセスの公聴会」にて、iPhoneの事を「犯罪者の避難所」と発言しました。

iPhoneのような強固な暗号通信ができるデバイスは、ユーザーのプライバシーを守る一方で法執行機関(FBIとか)の努力を阻害し、犯罪者が犯罪を企てるのを助けているとしており、一部の組織にだけ暗号化を解除できるバックドアを要求しているようです。

この公聴会にはAppleとFacebookのプライバシーに関するマネージャーと、テキサス大学でサイバーセキュリティに関する研究をしているマット・テイト教授も参加しており、グラハム議員の要求に対して強い反発を示しています。

現在多くのメッセージングツールがエンドツーエンドと呼ばれる暗号化を採用しており、基本的にコレはサービス提供側も復号(暗号化の解除)ができない仕様となっているため、仮に限られた第三者が複合できてしまうようなシステムを作ってしまうと、犯罪者に悪用されてしまう可能性さえ秘めています。

そういった暗号化の性質や犯罪転用の可能性などを一切考慮せず、あくまで通信の盗聴を法執行機関に行えるようにしろと言い、iPhoneを「犯罪者の避難所」と論じるのは知識不足としか言いようがありませんね。

Appleは反論の中で、法執行機関からの要請で過去7年間に127,000台のiPhoneのロック解除に協力しており、Appleは犯罪者を擁護するつもりはなく犯罪捜査などにも協力的である事を強調し、その上でそもそもエンドツーエンドをサービス提供側でどうこうする事が基本的に不可能な旨を説明しました。

それでも「Appleは法執行機関のアクセスを許可するためにデバイスを再設計するべきだ」という謎の意見を支持しているそうで、そして何を根拠にしているのか「Appleらはそれができるはずだ」と断言しているそうです。

来年の同時期に同様の公聴会をまた開くとグラハム議員は述べており、「(それまでに)解決策を見つけられないなら我々の案(バックドア)に従うべきだ」と締めくくっています。

まとめ

専門知識が無いし調べたり勉強する気もない権力者が適当な事言ってる典型みたいな公聴会でしたが、こんなのが押し通ってしまったらアメリカはすべての国のiPhoneユーザーの通信をすべて盗聴できるようになるだけに、国外からの批判もすごそうです。

Appleら巨大IT企業がこんな無理難題に応えるとは到底思えないですが、そもそも法律を変更できる権力者の意見だけに何かしらの対策を迫られるかも知れませんね。

参考:iDROPNEWS

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