Safariの広告制限は最強?ここ2年間で広告業界は大ダメージらしい

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by メカ村

かねてよりユーザーの行動を元に広告を表示する追跡型広告については、提供側はよりユーザーにマッチメイクした広告を出せるとする一方で、ユーザー側からは行動の監視だと対立していました。

そこでAppleはこの追跡型広告に対応すべく、こうした広告の機能を制限したりブロックしたりする機能をSafariに実装しているのですが、その効果は広告業界で問題になるほど大きいようです。

あくまでも追跡の防止

Appleがこの追跡型広告の制限をリリースする直前まで、かなり大きな勘違い情報が飛び交っていました。

その勘違い情報とは、「AppleがSafariでの広告表示を完全にブロックする」というもので、リリースされればSafariで広告は一切表示されなくなり、SafariでならYouTubeの動画広告もスキップできるなんて噂になっていました。

蓋を開けてみれば、Appleがリリースしたのは追跡型広告の行動を制限する機能で、広告というコンテンツそのものを非表示ないしブロックするような機能ではありませんでした。

しかしこの機能、追跡型広告がユーザーの動向を基本的に一切探る事ができないので、表示された広告がユーザーの興味関心を引く可能性が著しく低く、全く役に立たないレベルの深刻なダメージを追っているそうです。

具体的な数字にすると、Safari向けの広告費はこの2年間で60%以上減り、Chrome向けの広告費はむしろ上昇傾向、Safariの行動追跡できる情報が全体の9%ほどなのに対し、Chromeは79%も追跡可能との事で、広告企業にとってはSafariに対し追跡型広告を配信するのがかなり困難なのがわかります。

「じゃぁSafariは無視すれば良いくない?」なんて意見が聞こえてきそうですが、モバイルブラウジングの50%以上がSafariで行われているそうで、単純に切り捨てると50%以上の市場をそのまま手放す事になるワケです。

また広告業界にとってはSafariを使うユーザー=富裕層というデータがあるそうで、簡単に無視して良い存在ではないそうです。

現在Webに公開されている90%以上の広告がこの追跡型広告になっているそうで、Appleが追跡型広告をブロックする機能をリリースして大きな損害を負った広告会社は世界中にかなりの数ありそうです。

まとめ

この機能のせいで情報公開している広告会社は、2017年年末までの3ヶ月間で2,500万ドル(約27億円)の損失を生み出し、それがどんどん拡大しているとコメントしているそうです。

一方で、AppleをはじめTwitterやFacebook、GoogleやAmazonといったネットプラットフォームを展開している企業は自社システムで追跡できているので、一般の広告会社のみ衰退しプラットフォームを展開している企業の広告収入が上昇するという現象も発生しているようです。

参考:9TO5Mac

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