Apple Cardのクレジット審査には女性差別がある?規制当局が調査へ

ソフトウェア開発者として著名なアメリカのDavid Heinemeier Hansson氏(以下デイヴィッド氏)は、AppleとGoldman SachsがApple Cardの申請時に性別でバイアスをかけており女性差別的であると主張しています。
この主張を受けて、同社のクレジットカードの審査過程に対する調査が始まりました。
追記:2019/11/12
進展があり、ゴールドマンサックスが与信を再計算するとのことです。
→Apple Cardの性差別問題、クレジットカードの限度額を再計算へ
AppleCardの審査過程に女性差別が潜む可能性
ことの発端は、デイヴィット氏がTwitter上で以下の発言を行ったことです。
The @AppleCard is such a fucking sexist program. My wife and I filed joint tax returns, live in a community-property state, and have been married for a long time. Yet Apple’s black box algorithm thinks I deserve 20x the credit limit she does. No appeals work.
— DHH (@dhh) November 7, 2019
訳:AppleCardの審査プログラムは性差別的である。妻と私は共同の納税申告書を提出し、夫婦共有財産(夫婦がその結婚生活中に取得した資産は共有)であり、結婚してから長い時間が経つ。それにも関わらず、Appleのブラックボックスと化した審査では、私の方が妻の20倍もクレジットの上限があると判断した。
Apple Cardはここ最近でもっとも成功したクレジットカードと言われており、人気も急上昇しています。
人気の要因は、iPhoneからのマネー管理のしやすさや、クレジットカードとしては革新的なカード番号が印字されていないことによる高いセキュリティもありますが、カードの審査基準がかなり緩いことも大きいでしょう。
しかし、審査の基準は緩くとも、クレジットカードの限度額などの部分には、差別的なバイアスによる審査が行われている可能性がデイヴィッド氏によって示されました。
現時点では、彼とその妻のクレジットカード上限をここまで大きな差にした要因は特定されていませんが、デイヴィッド氏はその原因が性別にあると主張しているわけです。
規制当局による調査も開始
これらの一連のツイートは、役所の目にもついたようで、Wall Streetの規制当局がこの問題についての調査を開始したと報告されています。
仮に、女性や出身地などで審査にバイアスがかかっていた場合、差別的待遇としてニューヨーク州の法律に違反している可能性があるからです。
これに対してゴールドマン・サックスの広報担当は声明で「当社の審査は、性別、人種、年齢、性的指向など法律で禁止されている要因を使った判断を実施しておらず、顧客の信用度に基づいています」と説明しました。
仮に、ゴールドマン・サックスの主張通りであればこの問題はすぐに収束する一方で、もしもデイヴィッド氏の主張通りならAppleやゴールドマン・サックスにとってかなり大きな打撃となるでしょう。