AppleがApp Storeの検索アルゴリズムを修正 サードパーティ製アプリに配慮

Appleは、App Store上でのアプリの検索結果に自社のアプリを上位表示させることでサードパーティー製のアプリとの競争に優位に立っているという批判が多くあがっていました。
今回、同社はその批判は事実はないと否定したものの、検索アルゴリズムを調整することでよりフェアな競争になるように改善したことが明らかになりました。
自社のアプリがApp Storeの上位を独占する問題に対応
Appleのマーケティングを担当するフィル・シラー氏とサービスを担当するエディ・キュー氏は、アメリカの大手メディアThe New York Timesのインタビューにて、App Storeで自社のアプリが検索結果の上位に表示されにくくなるよう調整したと述べました。
理由は、自らハンディキャップを自社のアプリに課すことで、サードパーティーの開発者を助けることになり、よりフェアな競争につながると考えたからだと説明しました。
「グループ化」の仕組みが原因か
そして、これまで批判されてきたApple製のアプリが上位に来た理由として「グループ化」の仕組みが関係していると説明し改めて不正に調整していたという疑惑については否定しました。
これまで、App Storeのランキングには、同じ開発元のアプリがまとまって表示される傾向がありました。
この仕組みは、例えば、ユーザーが「Office」と検索することでMicrosoft社製のOfficeアプリを一括でダウンロードできるため、便利なケースも多々あります。
その一方で、今回のようにApple製アプリの検索数が他よりも多いために、その効果がさまざまなカテゴリにまで波及し、実際以上にApple製のアプリを上位に表示してしまう弊害を招いたということでしょう。
Apple製品のユーザーが使っているため検索に「Apple」が多いのは当然であり、これではサードパーティアプリの開発者からしたらフェアとは言い難いということでしょう。
今回のアルゴリズム変更はおもにこの「グループ化」の仕組みの停止が行われたようです
今後はサードパーティ製のアプリも上位に
The New York Timesによると、アルゴリズムの変更が7月に行われて以来、実際多くのApple製アプリがストアでの順位を落としていることが確認されているようです。
ただし、Appleが過去の検索結果のデータを保持していないため、客観的にデータを比較・検証する方法がないとも述べました。
そして、検索アルゴリズムは42種類もの指標に基づいているため、外部からの観察では適切な検証にならないと同紙の取材に対してAppleの広報担当者は回答したようです。
それでも、今回のように外部からの指摘が、Appleに検索アルゴリズムを改善するように促したと考えられるのではないでしょうか。
今後は、サードパーティー製のアプリも上位に表示されやすくなり、よりフェアな競争が行われることが期待されます。