AppleがSiriの会話分析を再開へ これまでのプロセスを大幅に改善しプライバシーに配慮

投稿日:

by しんや

約1ヶ月前に、AppleがSiriのクオリティを評価するプロセス(グレーディング作業)の一環として、Siriで録音された音声を人が聴いていることが報じられました。

この報道を受け、ユーザーの間でプライバシーに関する懸念が広がっていましたが、その後Appleはこれまでのやり方を再検討し新たな提案を行なっています。

プライバシーに配慮した新しいSiriのグレーディング作業

まず、Appleは声明の中でこれまでのグレーディングが不適切な方法であり、プライバシーに十分配慮したやり方でなかったことを正式に認め謝罪しました。

一方で、これまでも、録音された音声データはマーケティングやデータを売却するために利用したことは一度もなく、Appleがデータを集めるのはSiriの改善のためのみであることも改めて強調しました。

その上で、この秋からリリースされるソフトウェアのアップデートで、様々な改善が加えられた新しいプロセスを採用するようです。

Siriはどのようにして私たちのプライバシーを守るのか?

具体的な変更は以下の通りです。

  • 初期設定では、音声録音を行わずコンピュータが生成した書き起こしのみ活用
  • 改善プログラムに参加するかは任意になり、いつでも参加を取りやめることが可能
  • 提供された音声サンプルも従業員のみ利用可能(外部委託はなし)
  • 意図せずSiriを呼び出してしまったと判断された音声録音は削除

また、これまでと同じく、最小限のデータのみ収集することを徹底すると約束しています。

これは、例えばスポーツのイベントについて質問した時は、Siriは現在地に関する「大まかな」情報のみを使う一方で、一番近い食料品店を尋ねた場合はもっと具体的な場所のデータを使うといったように適切な選択を行っているということです。

他にも、「未読メッセージを読んで」と頼んだ場合にメッセージの内容がSiriのサーバーに送信されることはありません。これはリクエストに応えるために必要な情報ではないからです。

また、各端末を識別するために割り振られているランダムな識別子も、プライバシー保護を強化するために定期的に更新されていく仕組みになっているようです。


関連記事