「iPhoneの影響は?」輸出規制の影響を懸念 Apple幹部がサムスンを訪問

日本の輸出規制強化を受け、アップル、マイクロソフト、アマゾン、そしてグーグルなどの大手IT企業が幹部を続々とサムスンへ派遣していることが報じられました。
特にサムスンのDRAMメモリチップの製造が受ける影響を懸念しているとのことです。
米大手IT企業が続々とサムスンに面会
日本が韓国を「ホワイト国」指定から外したため、半導体の材料調達へ苦労している韓国企業が従来のスケジュール通りに生産を行えるのかを多くの企業が心配し始めているようです。
今回の輸出規制の対象となる品目はフッ化ポリイミド、フッ化水素、レジストの3品目で、フッ化ポリイミドは有機ELディスプレーの材料として、フッ化水素は半導体の洗浄に、レジストは基盤の感光剤として利用されています。
いずれも半導体の生産には欠かせないものですが、韓国メディアKorea Heraldによると、多くの企業が特に気にしていたのはレジストを感光剤として利用する次世代のDRAMチップ製造についてです。
今後も輸出規制が続くなら半導体の製造に遅れが出ることはほぼ確実とされており、幹部を派遣し生産スケジュールの確認と協議を行っていたようです。
iPhoneへの影響は?
そこで、多くの人が気になっているiPhoneへの影響ですが、こちらも避けられないものになっていると予想されています。
これは先ほどの三品目が不足するとサムスンやLGのディスプレイ工場が停止する可能性が出てきているからです。
日本経済新聞によると、材料の在庫は通常1〜2ヵ月分になっているので、追加調達ができないままに3ヶ月が過ぎれば工場を停止せざるをえないと言われています。
特に、次に発売される全てのiPhoneで有機ELディスプレイを搭載しているという噂があるため、工場が止まれば販売スケジュールや販売エリアに何かしらの制限がかかる可能性が高くなっています。
これを回避するためにAppleは、中国のBOEテクノロジーから有機ELディスプレイを受注する用意もあると報じられていますが果たして品質面で基準をクリアできるのか不安が残ります。
そして冒頭でもお伝えしたように、DRAMの製造にはレジストが利用されていますが、iPhoneのDRAMおよびNANDフラッシュメモリの主要なサプライヤーはサムスンであることがわかっています。
そのため、このまま輸出規制が続けばiPhoneの生産と発売に何かしらの影響が出てくることは避けられないことかもしれません。
この問題をめぐってはアメリカのトランプ大統領が問題解決のための支援を行う意向を示しており、iPhoneが例年通り今年の9月に発売されるかはトランプ大統領の力も重要になってきそうです。
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