通信の秘匿性消滅!?ホワイトハウスがエンドツーエンドの暗号通信禁止を検討

スマホどんどん便利になるのは非常に喜ばしい事なのですが、その一方で犯罪の道具やほう助する機器として多くの犯罪者に利用されているのは世界的にも大きな問題ですね。
こうした問題から警察機関や諜報機関はスマホにセキュリティ緩和を求め、スマホ企業側はこれを断固拒否するという図式が何年も続いているのですが、ついに国が主導となってこの問題に介入してくる事になりそうです。
リスク無視のセキュリティ緩和
アメリカの政権中枢であるホワイトハウスで先日、「エンドツーエンド通信の違法化」という何とも不穏な雰囲気の法案について話し合いが行われた、との情報が出回っています。
エンドツーエンドについては後述しますが、この通信方式を違法化するという事はつまり、通信の秘匿性がほぼほぼ失われ多大なセキュリティリスクを全ユーザーとスマホ関連企業が背負う事となります。
エンドツーエンド通信とはざっくり、送受信を行う両端末側で複雑な暗号化処理を行い、インターネット上で複雑な処理をさせず単純通信を行う概念の事で、これのおかげで高速で安全な通信が成り立っていると言えるほどの代物です。
この会合には「iPhoneの暗号化のせいで犯罪者が捕まらない」と言い、「iPhoneにバックドアを設けろ」と失言したFBIやCIAなどの諜報機関も参加しているそうで、国的にも「国民の通信リスクより犯罪者検挙優先」といった感じなのでしょう。
仮にアメリカ国内でエンドツーエンド通信の違法化がスタートすれば、アメリカを拠点としているスマホ企業やアプリ業者、他にもインターネット通信に関わる殆どの企業がエンドツーエンド通信以外の方法を開発・採用しなくてはならなくなり、その上ユーザーからのセキュリティ信頼度も大幅に下がります。
しかもこれはアメリカ国内に留まる問題ではなく、アメリカのサービスを利用したりアメリカと連絡を取っている我々他国のユーザーにも大きく影響し、結果だけ見れば「世界的なエンドツーエンド通信の廃止」につながりかねないとんでもない法案と言えます。
犯罪検挙が大事なのも十分にわかるのですが、インターネット上で暗号化などを行う方式にシフトしてしまえばハッカーらに通信傍受を簡単にさせてしまうので、一般人を相手にしたハッキング詐欺や個人情報(特にクレジット情報などの支払いに関するもの)が大幅に増加する事も考えられるでしょう。
まさかアメリカが「エンドツーエンド通信の違法化」を立法するとは思えないのですが、テロなどで悩まされているアメリカがこの法案を何らかの形で法律にしてしまう可能性はゼロではないだけに、多くの関係者がこの国の動きに注目を集めています。
まとめ
エンドツーエンド通信は1981年に提唱され現在のインターネットを作り上げた基本概念であり、これを覆すという事はインターネット業界全体に良くも悪くも多大な影響を与える事となります。
アメリカ政府がこの法案を簡単に通すとは思えないのですが、多くのテロや凶悪犯罪に悩まされるアメリカにとっては、国民の通信の安全よりも犯罪検挙を優先左折可能性も少なくないだけに、アメリカ国内外で多くの関係者が続報を待っている状態となっています。