ビル・ゲイツが語るスマホ戦略の失敗とは
PCのOSシェアでは圧倒的なもののモバイル分野で大失敗し、撤退を余技なくされたMicrosoft、今やモバイルOS市場はiOSとAndroidに二分されています。
そんな過去の過ちを振り返るようなインタビューを共同設立者のビル・ゲイツ氏が行い、その動画とともに語られた内容が話題となっています。
当時を振り返った敗北宣言
ベンチャーキャピタルを行うVillage Global社の最近のインタビューで、Microsoftのビル・ゲイツ氏がモバイルOS市場での戦略失敗について語りました。
当時の責任者はゲイツ氏ではなく元CEOであるスティーブ・バルマー氏ではあるのですが、Microsoftの失敗について第三者視点で捉えた意見を述べています。
彼はモバイルOSの失敗について「MicrosoftがAndroidと同じものにならなかった事」と述べており、暗にGoogleよりも先にMicrosoftがAndroid社を買収すべきだったと振り返ります。
Android社は2003年に設立し2005年にGoogleによって買収されているので、結果論ですがMicrosoftはそれ以前にAndroidに目をつけて買収するか、それに近しいモバイルOSを開発する必要がありました。
しかし当時のCEOであるバルマー氏に至っては、iPhoneを見て「世界で最も高価な携帯電話なのに、キーボードを持っていないのは魅力がない」と嘲笑したのは有名な話で、そもそも携帯電話に物理キーボードが存在しない事は考えられない、という考えが念頭にあったようです。
それ故にモバイル端末と物理キーボードとの決別には時間がかかり、現在のスマホスタイルのWindows Phoneを出すころにはAndroidにシェアのほとんどを持っていかれ、まさかのWindowsユーザーにも売れないというAppleとは逆の展開が待っていました。
当時のMicrosoftが競うべき相手はAppleではなくGoogleであり、最大の敵は時代の変化とタッチパネルキーボードの真価に気づいていなかったバルマー氏であり、結果的にそれらを予見できなかったゲイツ氏の失敗であった、と言えるでしょう。
ゲイツ氏はインタビューの中で「最大の失敗は私の誤った管理」と述べており、当時は経営責任者の立場ではなかったもののAndroidの事やバルマー氏の件についてかなりの責任を感じているようです。
まとめ
バルマー氏は2000年から2014年までMicrosoftのCEOを務めており、スマホ黎明期にキーボードにこだわるという致命的な考え違いが、モバイルOS市場からのMicrosoft撤退を余儀なくさせたのは言うまでもないでしょう。
現在Microsoftはモバイル市場についてアプローチ方法を変えており、Officeなどをクラウドサービスとして提供する事でOS側ではなくアプリ側で活躍することで、ゲイツ氏は過去の失敗にケリをつけたのでしょうね。