米の制裁「予想以上」に効果的 ファーウェイが苦戦中

ファーウェイの最高経営責任者である任正非氏は17日に開かれた本社でのイベントにおいてアメリカによる制裁の影響を語りました。
同氏によると、制裁の効果は「予想以上」であり今後2年間は少なくとも悪影響があるとの見方を示しました。
ファーウェイは業績の見通しを下方修正
ロイターによりますと、任正非CEOはアメリカの制裁について「当初は、これほど深刻だと思わなかった。古い飛行機のように、心臓部分と燃料タンクを保護しただけで、他の必要な部品は保護しなかった。このため、今後2年間、会社は後退せざるを得ないだろう」と述べました。
また、「われわれは米国がこれほど多面的に当社を攻撃するとも思わなかった。当社は部品供給を受けられず、多くの国際機関や大学とも連携できず、米国製部品を一切使えない」とも述べ、アメリカの制裁が「予想以上」に厳しい様子であることを強調しました。
実際、アメリカによる制裁の売り上げへの影響は300億ドル(約3兆2550億円)にも及ぶと指摘されており、さらに、制裁発表後は海外のスマートフォンの売り上げが40%減を記録しました。
ただし、HUAWEIはたとえ財政状況が悪化しようと研究開発費を削減する予定はなく、事業も2021年を目処に回復する予定だと述べました。
今後も米中対立は続くが緩和の兆しも?
トランプ政権が5月にファーウェイを米企業との取引禁止リストに追加して以来、Apple、グーグル、インテルなどの企業は政府の許可なくファーウェイに技術を売ることが禁じられています。
しかし、ファーウェイは昨年だけで部品代として約110億ドルをクアルコムやインテルなどの米企業に対して支払っています。
そういった背景からか、クアルコムやインテルなど、複数の半導体メーカーがファーウェイへの販売禁止措置を緩和するように米政府へ圧力をかけているという話があがっています。
それに加えて、グーグルもHUAWEIが独自OSを作るほうがプライバシーなどの安全面におけるデメリットが大きいと米政府へ説明しているという噂もあり、販売禁止措置の緩和も少し現実味を帯びてきているかもしれません。
ただし、この問題はビジネス的な側面の問題のみならず、国家の安全保障やアメリカ対中国の技術覇権といった様々な要素が絡み合っているため、明らかに一朝一夕で解決するような問題ではなくHUAWEIを巡る米中の対立は今後もしばらく続くでしょう。
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