睡眠改善アプリは逆効果?深刻な不眠症になる可能性を専門家が説明

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by メカ村

数年前からスマホを利用した睡眠を記録・管理・改善するアプリが普及し、手軽に導入できる事から世界中でも使用者が増えているのですが、実はアプリを使うとむしろ睡眠の質が悪くなる可能性があると話題になっています。

この情報はイギリスの大手新聞The Guardianに寄稿された専門家による記事が原因のようですが、睡眠改善アプリでむしろ睡眠の質が悪くなるとは、一体どういう事なのでしょうか?

睡眠改善アプリ臨床実験されていない

イギリスはロンドンのガイ病院で睡眠障害の専門家として従事しているガイ・レシュジナー博士は先日、睡眠改善アプリを使用することでむしろ睡眠の質が低下したり、重大な睡眠障害や不眠症を発症した人がいると発表しました。

ガイ博士によると、アプリ内で表示されている「睡眠不足になる原因」といった不安になる項目説明を読むことによって、かえってユーザーの不安を無駄に大きくしたり、本来ユーザーの睡眠障害に関係ない項目に気を遣わせるようになる事が要因との事。

例えば睡眠障害を抱えて困っているAさんという人がいたとして、Aさんの睡眠障害の原因が就寝時にスマホを見る事でブルーライトを浴びたり、興奮状態になる事で引き起こされているとします。

しかし睡眠改善アプリはAさんの不眠症の原因を診断できるワケではないので、一般に不眠症になる原因とされるすべての項目、例えば「カフェインの摂取量」や「ライフサイクルの管理」といったAさんに本来関係ない項目も注意事項として説明します。

本来Aさんは寝る前のスマホ使用を控えるだけで睡眠改善に繋がるはずなのですが、アプリを使用した場合上記で述べた「カフェインの摂取量」や「ライフサイクルの管理」といった関係ない多数の項目を日々気にしなくてはならなくなります。

これらの項目が結果的にAさんの心配事に切り替わり、最終的にストレスとなって睡眠の質が低下してしまったり、不眠症などの睡眠障害に発展してしまうワケですね。

多くの睡眠障害の原因は遺伝子学的に個人差が強く、例えば寝る前にエスプレッソを3杯飲んでも平気な人もいれば、ブルーライトに耐性があって睡眠不足の原因になっていない人もいると説明しており、アプリを頼る前に専門家による適切な診断を促しています。

またガイ博士は、そもそもほとんどの睡眠改善アプリが臨床実験や医学データサンプルを参考にしていない事に警鐘を鳴らしており、根拠の伴わない睡眠改善アプリを使用する事を止めるべきとは明言しませんでしたが、「あなたが睡眠について強迫観念に陥ると、睡眠はさらに困難になります。」とやんわり使用を否定しています。

まとめ

中には臨床結果を反映した睡眠改善アプリもあり効果を実感している人もいるのですが、結局のところ正確な診断機能もなく、大量のデータサンプルの平均値から判定する事しかできないので信用しすぎるのは問題なのかも知れません。

本当に睡眠障害で困っている人は、手軽なアプリで下手に安心してしまったり症状を深刻化する前に、専門医による正確な診断を受けるようにしましょうね。

参考:9TO5Mac

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