3分で読める2019年WWDC基調講演まとめ

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by しんや

本日午前2時から行われたWWDC 2018の基調講演にてiOS 13、新mac OSなど今秋登場予定の各OSの新機能に関する発表が行われました。

それぞれ一体どんな新機能が追加されるのか、ほぼ全ての内容を網羅した基調講演まとめをご覧下さい!

tvOS

基調講演の最初に発表があったのはtvOS。

新しいtvOSではまずマルチユーザーをサポートしました。つまり、家族で同じテレビを共有していてもアカウントを切り替えることによって閲覧履歴やお気に入りコンテンツなどを各自でコントロールできるようになります。

また、マルチユーザーの実現により、各ユーザーに合わせたおすすめコンテンツの表示もできるようになりました。

さらに、今秋からの開始を予告しているApple Arcadeにも対応するのはもちろんのことですが、なんと!「Xbox 1S」「PlayStation4」のコントローラをサポートすることが明らかになりました。

PS4やXboxを持っているユーザーは馴染みのあるコントローラーでApple Arcadeのゲームを楽しむことができるため、これは嬉しいお知らせですね。

他にもApple Musicで音楽を聴くときに歌詞をリアルタイム表示する機能や、4K対応の新しいスクリーンセーバーの追加が行われるようです。

watchOS

続いて登場したのは「watchOS 6」です。

まず、これは毎年恒例ですが、新しいウォッチフェイスの追加が行われています。

他にもタプティック(腕への振動)を使った時報機能や、新しいアプリ「オーディオブック」「ボイスメモ」「計算機」の追加が行われました。

特にApple Watchでのボイスメモは使える場面がたくさんありそうですが、現状では有料アプリが多かったためユーザーに嬉しいアップデートです。

また、これからはApple Watch単独で動作するAppの作成が可能になり、専用のApp Storeもオープンするため、今年の秋以降はApple Watchのアプリ数が飛躍的に伸びるのではないでしょうか。

そして、Appleが最も気合いを入れている分野の一つであるヘルスケアですが、周囲の騒音状況を計測し場合によってはユーザーに警告を促すアプリや生理周期管理アプリの追加が行われ、Apple Watchのヘルスケア面での機能が強化されました。

また、これらのアプリにはウォッチフェイスからのアクセスも可能になっています。

iOS

そしていよいよ、注目度が高いiOS13の登場です。まずは性能面についての話でした。

登壇したクレイグ氏によると、FaceIDの認証速度を30%高速化、アプリのダウンロードファイル容量を減少することによるダウンロード/アップデート速度の短縮、さらにアプリの起動は最大で2倍の速さになったようです。

そして、何よりも期待されていたダークモードがついに搭載されました!

ダークモードはメモ帳やマップアプリなど様々なアプリに対応済みで、開発者向けにもすでに開発環境が整っているため、今秋以降は随時全てのアプリに適用されていくのではないでしょうか。さすがApple。

また、Safari、メール、メモ、ミュージック、リマインダーアプリの機能向上が行われ、マップアプリも調査チームの取り組みによる大幅な精度向上がアピールされました。

特に、Googleマップのストリートビューのような機能のための撮影がアメリカにおいてほぼ終わりかけているため、近いうちに他の国へも範囲を広げていくようです。その中には日本も含まれているかもしれませんね。

そして筆者がなによりも注目したのが、プライバシーを守るための「Appleでサインイン」機能です。

これはアプリやWebサービスログイン時によく求められる、「Facebookでログインする」や「Googleアカウントでログインする」といった機能の代替となるものです。

これにより、FacebookやGoogleでログインした際に流出する危険がある友達リストやメアドを含む様々なプライベートな情報を隠蔽し、自分がどの情報をアプリに共有するか選択できるようになります。

そのため、アプリが必要以上に私たちのプライバシーへアクセスすることを阻止してくれるのです。

そして、さらに嬉しいことに、もしもメアドを共有する必要があったとしても、偽のメアドを教えることができるのです!

もちろん、偽のメアドはアップルによって生成されたものであり、そのメアド宛の連絡も私たちへはしっかりと届くようになっています。つまり、私たちのプライバシーを明かすことなく必要な情報を受け取ることができるのです。素晴らしい。

また、プライバシーを守るHomeKit対応ホームカメラはローカル環境で暗号化された情報をクラウドへ送るため、途中で傍受される危険性が大幅に軽減します。

その他には、様々な場面で使えるMemojiステッカーの追加や写真アプリの強化が行われました。

Memojiは、自分の顔にカスタマイズできるのAnimoji(自分の表情に合わせて動く絵文字)のことで、肌や唇、髪の色をはじめ様々なパーツをカスタマイズできるようになっています。

そして作成されたMemojiに基づいた専用の絵文字も作成できるようで、他のアプリでも使用可能な場合があるようです。

写真アプリは、AIによる写真のグループ化がより強化され、大量の写真で溢れかえる私たちの写真フォルダをより見やすく管理してくれるようになります。

また、AirPodsでSiriがメッセージを読み上げ、返信する機能やAirPodsユーザー同士での音楽共有機能も追加されました。

そして、iOS13はiPhone6s以降が対象になっており、iPhone 6/PlusやiPad第4世代、初代iPad Air、iPad mini 第3世代はiOS13の対象外となりました。

iPad OS

驚くべきことにiPad専用のOS「iPad OS」が登場しました。これは、大画面に最適化した新たなiPad向けOSとなるようです。

例えば、マルチタスクが容易になるようアプリの切り替えがよりシンプルになり、同じアプリでも2分割(2つ以上の同時起動も)が可能になりました。もちろんサードパーティアプリでも使えます。

さらに、ファイルの管理が進化し、USBメモリとSMBにも対応するようになるため外付けハードの中身もファイルアプリで閲覧できます。

またSafariの強化により、パソコンのようなブラウジングが可能になりキーボードのショートカットが大量に追加されました。

もちろん、パソコンとは違うタブレットの強みを活かすための独自のジェスチャーも改善されています。

例えば、選択された文章を3本指でピンチインするとコピー、ピンチアウトするとペーストなどよりiPadでの作業が捗るような新機能です。

細かいところで言えば、Apple Pencilの遅延がさらに短縮(20ms→9ms)されたり、カスタムフォントの使用可などの変化もあります。

そしてサードパーティアプリでもApple Pencilの機能を最大限活用できるように、開発者向けのPencilKitが提供されました。

Mac Pro

すごい見た目の新ハードが登場です。

かなりイカツイ見た目ですが、イカツイのは外見だけでなく能力も同じようです。

過去最高のパフォーマンスのMacと称され、28コアIntel Xeonプロセッサと最大1.5TBメモリ、さらに8スロットのPCIeを搭載しており、8Kビデオは3本・4Kビデオは12本同時ストリーミング可能になっています。

店員「お客様、メモリはどうされますか?」
客「1.5テラですね」
店員「いえいえ、ストレージではなくメモリのほうです」
客「ですからメモリが1.5テラです」
店員「…」

また、デモでは実際に1000トラックの音楽作成も行なっていました。

一般ユーザーがお世話になることはなさそうですが、値段は5,999ドルからになっており、今秋発売です。

Pro Display XDR

そして、モンスタースペックのMac Proと同時に発表されたモニターは、32チンチ6K Retinaスクリーンで、Pro Display XDR(HDRの進化したもの)、さらにナノテクスチャーによる反射低減処理がほどこされているようです。

こちらはモニターなのに本体4,999ドルから、今秋発売になっています。

macOS 15(macOS Catalina)

最後にmacOS 15が発表されました。新しいOSの名前はCatalineで、アメリカ合衆国カリフォルニア州南部の島がモチーフになっているようです。

まず、噂されていた通り、iTunesを「Music」「Podcast」「TV」の3つに分割することが発表されました。

クレイグ氏自身も iTunesの機能が多すぎてかなりゴチャゴチャしてしまっている現状に嘆いていたようで、その多すぎる機能をiTunes(Music)、Podcastアプリ、Apple TVアプリと3つのアプリで分担することにしたと話しました。

バックアップ機能などの細かい点については発表会では触れられなかったため、今後徐々に明らかになると思われます。

また、iPadをMacのサブディスプレイにする「Sidecar」という機能も追加されるようです。

もちろん、iPadをタブレットとしても利用できるようになります。つまり、Macではできない写真への手書き書き込みなどは「Sidecar」機能を使うことで実現できるようになります。

「Sidecar」はリモートディスプレイにも対応しており、MacとiPadを直接ケーブルで繋げる必要はないようです。

また、Mac端末もiOS端末も音声による完全なコントロールが実現し、体に何かしらの不自由がある人でも様々な機能へアクセスできるようになるボイスコントロールの機能も発表されました。

そしてMacユーザーにとって朗報なのが、デバイスがスリープ中でも場所を特定可能な「Find My」機能です。

従来は端末がスリープ状態では自分のMacを見つけることができず、盗難の時には役に立ちませんでしたが、この新しい機能は周辺にある不特定多数のiPhoneとの接続により位置の特定が実現できるようです。

高い高いMacが盗まれては大変悲しい思いをしてしまうので、これはすごくありがたい機能ですね。

もちろん、盗難されても起動できない「Activation Lock」が使えるようになります。

そして最後に、ひとつのコードで、iPhone、iPad、Macに対応するAppを作成できる「Projecj Catalyst」が発表されました。

これにより、これまでMacのネックだったアプリの少なさが大幅に改善されるだけでなく、これまで以上に各デバイスの連携が強化されるのではないでしょうか。

Appleデバイスの将来を長いスパンで見た時にこの「Projecj Catalyst」は大きな進歩と言えるでしょう。

まとめ

さて、WWDCの発表まとめ、いかがでしたか。なんだかんだで色々と目新しい情報があり個人的にはそれなりに楽しめた発表会でした。

例年通り、各OSのベータは本日、パブリックベータは7月にリリースされ、正式な各OSのリリースは秋になるので、それまで追加情報を読みながら待ちましょう。

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