Appleスクリーンタイム類似アプリ粛清!理由は後出しなのに”Apple既製品に似ている”
スマホを子供に持たせている親にとって、使用時間などを制御するスクリーンタイムや機能制限を設けるペアレンタルコントロールはなくてはならない機能なのですが、以前からApp Storeでこれらの機能を提供していたアプリに異変が発生しています。
AppleがiOS 12から実装する以前からこれらの機能を提供していたアプリに対して、レギュレーション違反を理由に粛清ともとれる削除行為を行なっている事が明らかになりました。
過去にも後出し案件はあった
今回問題となっているのはiOS 12から実装されたスクリーンタイムに似ているアプリへの対応で、スクリーンタイムとはアプリの使用時間をiCloudで共有したり使用時間を制限するiOS 12の新機能です。
実はiOS 12で実装されるかなり前からスクリーンタイムと同等かそれ以上の機能を備えたアプリはリリースされており、これらのアプリがレギュレーション5.2.5への違反で削除されているというのです。
レギュレーション5.2.5とはざっくり「Apple既製品と同じものや似たものなどを公開禁止」する規約で、Appleが提供しているアプリをそっくり真似たアプリや、Appleが作ったと勘違いさせるようなアプリを取り締まるもの。
今回レギュレーション5.2.5違反を言い渡されアプリがストアから削除されたアプリは、そもそもAppleがスクリーンタイムをリリースする以前より多くの子を持つ親に人気だったアプリであり、誰がどう見ても「Appleがパクった上に粛清している」状態です。
まるで技術業界の嫌われ者であるパテント・トロール(後から関連特許を取得して企業から賠償金を得ている企業)のようなやり口に開発者らは怒りを露わにしており、特に人気を集めた『OurPact』のCEOは新聞社に怒りを訴えるレポートを載せる事態に。
その内容によると、Appleは何の警告も無しにレギュレーション5.2.5違反を宣告しアプリをストアから削除、現在完全に新規ダウンロードができない状態になっているそうです。
実はAppleのこうした傍若無人な振る舞いは過去に幾度も行われており、一部のソーシャルメディアではAppleのこうした傲慢な行いを「Sherlocked(シャーロックド)」と呼んでいるのをご存知ですか?
Appleは1998年当時、現在の「spotlight」に似た機能を持ったカレリアソフトウェア社のサードパーティアプリ「Watson(ワトソン)」を、まるで自分たちが考えた新機能のように「Sherlock(シャーロック)」としてリリース、最終的に「Watson」は「Sherlocked」という造語を残して消滅する事となってしまったそうです。
まとめ
App Storeというエコシステムを提供するAppleを利用する以上、AppleがNoと言えば絶対にNoになってしまう世界なのは言うまでもないのですが、それにしてもやり方が汚いというか、ユーザー的にも不信感を抱かざるを得ないニュースですね。
過去にこうしたニュースを幾度も見てはいるのですが、苦労して開発したアプリのアイディアをAppleにかすめ取られた開発者さんの無念は言葉にできない悔しさを感じさせ、なんともやりきれない気持ちになってしまいます。
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