Appleが5Gモデムチップを自社開発?インテルの一部事業部を買収する予定だった模様

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by メカ村

長年に渡るクアルコムとの特許抗争を和解という形で終わらせたApple、しかしApple上層部が書いたとみられるクアルコムとの抗争計画書も見つかっており、Appleの腹黒さも垣間見えるニュースとなっていますね。

このニュースの直後にインテルが5Gモデムチップの開発から退いたと報じられたのですが、実はその裏でAppleによるインテルのモデム事業部買収の動きがあったようです。

自社開発に切り替えたかった?

Appleを含め多くのスマホを生産している企業は、大抵クアルコム製のモデムチップや特許などを使用する事となっており、クアルコムはどうしても縁の切れない企業という存在になっています。

この状況を良しとしていなかったAppleはモデムチップの自社開発を計画していたようで、2018年の夏からインテルのモデムチップ事業部を買収する協議を進めていたそうです。

インテルは5Gモデムチップの開発撤退を発表しましたが、そもそも5Gモデムチップの開発はかなり難航して年間数億ドル規模の損失を出し続けており、Appleに買収さえされれば双方Win-Winになるハズの取引でした。

しかし、その協議の最中にまさかのクアルコムとの和解が発表され当面Appleはクアルコム製5Gチップを採用する事となり、インテル事業部を買収する話は白紙に戻り、これに伴い5Gモデムチップの開発から退いたというのが真相のようです。

Appleもクアルコム1社からモデムチップを供給する事に不安を覚えインテルを採用したワケですが、そのインテルが5Gモデムチップを単独で開発できないとなれば事業部を引き取って独自チップを開発し、クアルコムとの契約も切れてチップも自社開発に切り替えられて一石二鳥、といったところだったんでしょうね。

一般的なスマホ開発会社にとってモデムチップ開発というのは人員的にもコスト的にもマイナス面しかありませんが、世界でも有数の巨大企業となったAppleとしては、さらにハードウェアを自社開発する事によってiPhoneなどの親和性を高めるチャンスでもありました。

結果的にクアルコムとの契約を継続させる事になったApple、今年発売予定のiPhoneについては5G未対応でインテル製のチップを採用し、2020年発売のモデルからは5G対応のクアルコム製チップを採用する事になるだろう、と専門家らは見ているようです。

一気に技術者をインテルから引き抜くチャンスを失ったAppleは今後、コストパフォーマンスや人員、技術の問題で5Gモデムチップを自社開発する可能性はほぼほぼ無いと考えられています。

まとめ

ちなみに、インテルの5Gモデムチップ事業部売却についてはApple以外の企業にも持ちかけられていたようで、その詳細こそ明らかになっていないものの5Gモデムチップ開発が我々の考えるより遥かに難しいものだというのが伺えますね。

一方で、Appleは衛星を利用した新規格のインターネット開発計画にも参加している事が明らかになっているので、5Gをすっ飛ばして衛星対応iPhoneを近いうちにリリースする可能性も否めないでしょう。

参考:appleinsider

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