インスタグラム「いいね」数の非公開を検討、なぜ?

インスタグラムが写真に対する「いいね」数の非公開化を検討している証拠が発見されました。
ユーザー同士の競争意識を減らすことが目的としてテストされていたようです。
「いいね」数の非公開化が検討されていると明らかに
「いいね」の数を非公開にする新しいUIをインスタグラムが試していることを発見したのはJane Manchun Wong氏です。
彼はリバース・エンジニアリング(アプリの解析)を得意としておりこれまでも未公開の新たな機能やUIを数々発見してきました。
同氏によると、画像を投稿したユーザーには「いいね」の数が表示され「いいね」したユーザーのプロフィールもみられるようになっています。
しかし、これまでとは違いフィード上に流れる他ユーザーの「いいね」数のトータルは分からなくなっているようです。

現在は赤枠のように「いいね」の数が公開されている

一部のユーザー名は見えるが数は見えない(Image : TechCrunch)
ただし、この機能はあくまでテストであり現時点では正式に採用されていません。
そしてTechCrunchの取材に対してインタグラムの広報は「現在はその機能をテストしていないが、ユーザーに対するストレスを軽減する方法を常に探している」と回答しました。
原因は「インスタ映え」か
インスタグラムが「いいね」数の非公開化を検討していた理由はSNSの持つ有害な側面が背景にあるのかもしれません。
広報の回答からも分かる通り、インスタグラムやツイッターなどのSNSユーザーの中には「いいね」の数やコメントの数を過剰に意識してストレスを感じてしまう人も少なくありません。
そういったユーザーは「いいね」やコメントを増やし注目を集めるために過激な行動に走りがちです。
インスタグラム上でも、他の人より「いいね」を稼ぐためにより目立つ写真を求め「立ち入り禁止」の場所や私有地にあえて侵入して撮影をする人も珍しくありません。
例えば、以前東京ディズニーランドではテーマランドの1つ「トゥーンタウン」に設置されていた木箱が撤去されました。
これは木箱に「登るな」と記されているにも関わらず、木箱の上に乗った写真が多くインスタグラム上に投稿され問題になったことが原因ではと言われています。

撤去された木箱
他にも北海道では私有地の畑に侵入し「インスタ映え」を狙っているユーザーがいて迷惑しているとの声があります。
こういった負の側面を抑制するためにもユーザーを「いいね」の重圧から遠ざけることが大事だとインスタグラムも考えているようです。
今やSNSは多くの若者にとって日常となっており、インスタグラムが世の中に与える影響も計り知れません。
そのためインスタグラムが実際に「いいね」数の非公開化を実装するのはそう遠くない未来ではないでしょうか。