「時間を返せ」ネットの情報を鵜呑みにしてはいけないという話
携帯電話が普及し始めてから多くの人はネット上で情報収集するようになりましたが、一方でフェイクニュースなど偽の情報が以前よりも多くなり、かつ信じられるケースが増えてきたように思います。
今回は@k_kmh4さんが、「ネット上の情報を鵜呑みにしてはいけない」ことについて分かりやすい形でお話しされていたので、ご紹介させていただきます。
他人の話に同情はしても同調はするな
今や中高生も利用している「メルカリ」、手軽かつ比較的安全に商品のやりとりができるとあって多くの人が利用しているのですが、若年層の利用が多い事もあって「ヤバい出品者」「ヤバいユーザー」は度々話題になっています。
@k_kmh4さんもメルカリを利用している時に遭遇したようで、以前取引した時の内容をスクショとともにつぶやいています。
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— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
メルカリで「ヤバい出品者がいた」みたいな報告はたくさんあるけど、僕が今までに関わった出品者で一番ヤバかったのは間違いなく「高橋陽平を救う会」ってやつ。
写真整理してたら当時のスクショが出てきたので、RTと共有お願いします。
このアカウントの何がヤバかったのか、ざっくり説明します。 pic.twitter.com/ptklz8MQFr
どうやら遊戯王のカードをメルカリで探している時に、「高橋陽平を救う会」というヤバい出品者に出会ったようですね。
ツイートに添付されている画像には、「高橋陽平を救う会」のプロフィール画面と出品状況のわかるスクショが載せられています。
2
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
僕がこのアカウントを知ったのは、2年前メルカリで遊戯王カードを探してた時。
欲しいカード(黒の魔導陣)が相場よりも少し安く出品されてるのを見つけて即購入したんだけど、その出品者が『高橋陽平を救う会』で、取引ページで初めて名前意識して、なんだこれ?ってなった。
3
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
プロフィールページにはざっくり、
・高橋陽平が親から虐待されてる。
・彼を助けてあげたい。
・中学を卒業したら一人暮らしをさせてあげたい。
・そのための資金をメルカリで稼いでる。
・商品はクラスメイトが持ってるいらない物。
みたいなことが書かれてて、単純に今時はすげえなって思った。
4
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
取引ページで、
「購入しました。発送お願いします」
って送ったら、すぐに「購入ありがとうございます。明日発送します」って返事があって、実際次の日に発送通知も来たから、とりあえずまともな出品者でよかったって安心したんだけど、とはいえいろいろ気になることはあった。
5
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
「アカウントの管理どうしてるの?」
とか、
「陽平君は大丈夫なの?」
とか、
「学校の先生には相談してるの?」
とか、もろもろ聞きたかったけど、面倒な人だと思われて取引キャンセルされても困るから、とりあえず商品が届くまでは大人しく待つことに。
ちなみに善意ってよりは完全に興味本位。
6
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
発送通知から3日後、商品はちゃんと四国から僕のいる東京まで茶封筒に入った状態で届いた。
封筒の中にはカードと一緒に1枚紙が入ってて、そこには
「欲しいカードがあれば、探すので連絡ください!」
って手紙と一緒にLINEのIDが書かれてた。
多分取引した人全員に送ってたと思う。
7
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
いろいろ聞きたかった僕としては願ったり叶ったりですぐにID検索したら、youheiってアカウントが出てきた。
陽平くんは親からスマホ買い与えられてない可能性もあるよなとか考えたからちょっと意外だったんだけど、とりあえずyouheiを友達登録して、メッセージを送ることに。
8
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
「はじめまして、メルカリで遊戯王カードを取引したくらです。永遠の魂ってカードも探しているのですが、在庫ありますか?」
ってメッセージを送ったら、すぐに既読がついて返事がきた。
「あります。800円でどうですか?」
これも相場1000円くらいだったから、その価格で専用出品してもらった。
ここまでざっくりまとめると、くらさんは目的の遊戯王カードを「高橋陽平を救う会」から購入し、商品に封入されていた紙から管理者のLINE IDを手に入れたようですね。
プロフィール内容に疑問や好奇心を抱いていたくらさんはココから管理者に質問を投げかけ、色々な事実が判明していきます。
9
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
他にも何枚かカードを見繕ってもらうことになって、その会話の中で、「クラスの人たち優しくてよかったね」とか、「早く中学出て家でられるといいね」とか、「いまどんなパンツ履いてる?」とか、気になってたことを自然な流れの中で質問していったら、高橋陽平くんの状況が掴めてきた。
10
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
陽平くんは両親との3人暮らしで、お父さんお母さんはそれぞれフルタイムの会社員。
3歳上のお姉ちゃんもいたけど、中学卒業してすぐに家を出たらしい。
んで、メルカリのプロフィール欄にあった「両親から暴力を受けてます」っていうのは、簡単にいうと「教育熱心ゆえの暴力」ってやつ。
11
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
例えば、学校のテストや模試は理由のないミスをすると殴られた上に人格否定されるとか、友達と遊んでて帰宅時間が5分遅れたら翌日まで玄関に放置とか。
まあよくある、親自身は虐待してる自覚全くありませんでしたパターンの虐待って感じ。
教育と虐待の認識の差は個人差あるしなんともだけど。
12
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
陽平くんの両親は、お姉ちゃんが中学出たあとすぐに家を出て行方をくらましたこともあって、陽平くんには必要以上のお金を渡さないようにしたり警戒してるようで、叱る時も「お前は逃げられない」って言われることも話してくれた。
親からの「逃げられない」はなかなか絶望感漂うセリフだと思う。
13
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
ちなみにこの時知ったんだけど、失踪しても定期的に手紙出したり連絡したりすれば、16歳でも行方不明扱いにならず、警察に捜査もされないんだって。
だからお姉ちゃんは逃げ続けられてるって言ってた。
陽平くんの家にお姉ちゃんから届く手紙はいつも東京からの消印がついてるらしい。
14
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
そんな陽平くんの状況を解決しようと行動したのが、クラスメイトの翔って男子。
カケルなのかショウなのか読み方は知らないけど、名前がかっこいい奴は行動もカッコいいなって思った。
翔くんは、どうにかして陽平の逃亡資金をクラスのみんなで用意できないか考えた結果、メルカリに至ったらしい。
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— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
メルカリを使おうと思った理由は、
・現金だと陽平が遠慮する。
・メルカリなら中学生がやっても違和感が無い。
・いらないものを売ってできたお金なら、誰も損しない。
・陽平も出品して自分で稼げる。
っていう感じ。
「陽平が遠慮するからってところめっちゃかっこいいね」って話した。
16
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
遊戯王カードは陽平くん自身の持ち物だから、一番出品しやすいらしい。
今のところ3万円くらいの売り上げで、最終目標は15万円だって言ってたから、「遊戯王カードで欲しいのがあったら買いたい」って言ったら「なんでも売ります!」って言ってくれて笑った。
17
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
メルカリで知った人からの興味本位の干渉だから、多分陽平くんも警戒してて全部詳細には教えてくれなかったけど大体そんな感じ。
でも最終的には「今何色のパンツ履いてるの?」って質問に「変態ww ユニクロのトランクスですww」って返してくれたり、ちょっとは仲良くなれた気がした。
「高橋陽平を救う会」は両親から虐待を受けている四国在住の陽平くんを、翔という男子が率先しクラスメイト内で逃亡資金を集めるために作られたアカウントとの事。
目標金額は15万円で、クラスメイト達のいらないものや陽平くんの私物を売って貯金し、先に家出した姉のように両親の元から家出させる事が最終目標のようです。
17
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
メルカリで知った人からの興味本位の干渉だから、多分陽平くんも警戒してて全部詳細には教えてくれなかったけど大体そんな感じ。
でも最終的には「今何色のパンツ履いてるの?」って質問に「変態ww ユニクロのトランクスですww」って返してくれたり、ちょっとは仲良くなれた気がした。
18
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
ただ、僕みたいな興味本位で人と関わる人間って大半がそうだと思うんだけど、だいたい自分の「知りたい」って欲求が満たされた瞬間からどんどん相手への興味を失っていってしまうんだよね。
だから、陽平くんの件も、「ご馳走さまでした」って感じになって、それ以降は特に関わらなかったわけ。
こうした話を聞き出した事で@k_kmh4さんの陽平くんへの興味はなくなってしまい、それ以降は特に取引ややりとりなどはしなくなってしまったようです。
しかしその後、@k_kmh4さんはとんでもないニュースを目の当たりにする事に。
19
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
ところで話変わるんだけど、去年の年末に四国の高校であった、男子高校生が同級生を刺した事件、覚えてます?
原因はイジメの報復で、日常的に大塚翔貴くんから金銭の要求や暴力を受けていた高橋陽平くんが、我慢できずに刺したって話。
ネットニュース見てあんなに鳥肌立ったのは初めてだった。
21
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
もし虐待の話が、大塚翔貴から指示されたでっちあげの話だったら?
メルカリのアカウントも、大塚翔貴に作らせられたものだったら?
本当は手放したくないのに、イジメられないようお金を用意するために仕方なくカードを売ってたとしたら?
全部僕の想像だけど、あり得ないとも言えずゾクゾクした。
なんと四国の高校で、イジメの報復で男子高校生が同級生の大塚翔貴くんを刺したというニュースを見て、実は陽平くんが「高橋陽平を救う会」を牽引していたクラスメイトにイジメられていたのではないか?と直感したそうです。
このニュースから@k_kmh4さんはLINEで話された内容が本当は真っ赤な嘘で、実際はイジメられていた陽平くんが脅されて手放したくない遊戯王カードを売らされ、翔くんに恐喝されていたのでは?と考えてしまう事に。
22
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
結局のところ僕が強く感じたのは、『誰かから聞いた話を鵜呑みにするべきじゃないな』ってこと。
1人から話や理屈を聞いただけで何が良い悪いの判断はするべきじゃないんだよね。
特にSNSとかネットの人の話なら、なおさら。
23
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
ツイッターのタイムラインには、毎日のように顔も見たことのない誰かが語る辛かった話や傷ついた話が流れて来るし、それを読んで「かわいそう」って共感するのは分かる。
だけど、「そいつ死ねばいいのに」みたいに、強い否定の言葉で怒りに同調するのは違うと思うんです。
24
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
もしもその人が誰かを陥れるため、自分が得をするために嘘をついているとしたら?
たしかに「そいつ死ねばいいのに」って言葉は、「そいつ」には見えないし届かないかもしれない。
でも、届くかもしれない。
そういうリスクというか、可能性を考えて発信をしないといけないと思うんです。
25
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
この『高橋陽平を救う会』の話だって、結局は僕ひとりの目線で書かれた話でしかないんだから、どこまでが本当でどこからが嘘かなんて、読んでる人は分からない。
だけど、分からなくても顔の見えない「大塚翔貴」に対して強い怒りの感情を抱いてぶつけようとする人はいる。
26
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
クソ長くなったけど、結局僕が皆さんに伝えたいのは、
『他人の話に同情はしても同調はするな』
っていうこと。
同調するコミュニケーションは楽だけど、トラブルの元でもあるから、これはSNSに限らず、実社会でもマジで気をつけた方がいいです。
@k_kmh4さんはこの件を受けて、どんな情報も誰かから一方的に聞いた話は鵜呑みにすべきではないと思い、特にネットやSNSでのソースのない情報を簡単に信じてしまう事を注意しています。
また同時に、今回の件ならネット私刑にも発展しそうな「大塚翔貴」への怒りについても注意しており、あくまで『他人の話に同情はしても同調はするな』と念を押しているのですが…。
27
— くら (@k_kmh4) 2019年4月9日
そして最後に、やっぱりこの話は全部嘘なので、SNSの話は絶対に信用するなってことも言いたい。
もちろん本当に本当の話も多いだろうけど、これに関してはガチで全部嘘で、高橋陽平も大塚翔貴も架空の人物。
一連のツイートを読んだ人に、少しでも「時間返せクソが」って思ってもらえたら最高です。
まさかのそもそもこの一連の話全てがくらさんによる創作であり、『他人の話に同情はしても同調はするな』というメッセージを伝えるための戒め系説教のようなオチでした。
まとめ
かなりの長文でしたが、「ネットの情報を鵜呑みにしてはいけない」「他人の話に同情はしても同調はするな」というのがよくわかったかと思います。
くらさんのこの話をしっかり読んだみなさんは、ネットでも実社会でも他人の話を鵜呑みにしたり、安易に同調しないように気をつけましょうね。