Alexaに話した声はAIではなく人間が解析している事が判明 社内チャットで共有も

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by メカ村

スマートスピーカー業界で圧倒的なシェアを誇るAmazon、自社のサービス連携とAlexaの存在もあって、Echoシリーズは人気のスマートスピーカーとなっています。

そんなAlexaに投げかけられた言葉を、なんと人間が聞いて解析などを行なっている事が判明し、業界をざわつかせているようです。

人力でタグ付け

例えばEchoに「アレクサ、テイラー・スウィフトの音楽を流して」と話しかければ、Alexaはテイラー・スウィフトの音楽をAmazon Musicから検索して再生してくれます。

この一連の動作はAIであるAlexaが完結させた動作なのですが、どうやら音声はその限りではないようで、なんと秘密保持契約を結んだ数千人のAmazon社員によって人力解析されているとの事。

AIといえば機械学習によってどんどん賢くなるイメージがあるのですが、まだまだ人力に頼る部分も多いようで、Amazonは上記の例だと「テイラー・スウィフト」と確認できた音声に紐付くアカウントに対して「テイラー・スウィフト」というタグ付けなどを行なっているとの事。

彼らのシフトは1日9時間で、平均して大体1,000件の音声を聞きタグ付けなどの業務を行なっているそうです。

ここまでならほぼ何の問題もないように思えますし、「Amazonが未だにAI使わずに人力で音声解析してるw」みたいな笑い話で済むのですが、リークした社員の話だとその限りではない模様。

というのも、この音声をピックアップする作業では女性の鼻歌から子供の助けを求める声まで様々に収集・再生されており、従業員が「面白い」と感じた音声データを内部チャットで共有してしまっているのです。

彼の話によれば音声データと個人を特定できるデータは完全に切り離されているので、「○○さんがテイラー・スウィフトの音楽を要求した」なんて事はわからないようになっているとの事。

おそらくAlexaの使用許諾などに音声解析についての説明などはされているのでしょうが、利用者は肉声を直接人力で解析しているとは思いませんし、ましてやそのデータを面白がって共有されているというのは、利用者にとって気持ちの良い話ではないでしょう。

まとめ

今回の件はAmazonが利用者に何らかの訴訟を起こされるようなものにはならないでしょうが、自分たちの話しかけた音声を面白がって共有されているのは正直気持ち悪い印象を受けますね。

スマートスピーカーを設置・利用している人は、その声が自分の全く知らない発売元社員に聞かれているという事を意識しなければならないのかも知れません。

参考:Bloomberg

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