Appleの技術者がアメリカ帰国時にスマホとPCのロック解除を要求される

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by しんや

AppleのエンジニアであるAndreas Gal氏がサンフランシスコ国際空港の税関で引き止められ、鞄の中のiPhone XSとMacBook Proにかけられているロックを解除するよう求められました。

これらの行為に対してGal氏は公民権の侵害としてアメリカ自由人権協会に申し立てを行いました。

事件の経緯

事件は去年の11月に発生しました。Gal氏が空港に設置された端末を使い入国手続きを行なっていると、どういうわけかその端末はGal氏が二次検査を受ける必要があると通告しました。

そのままCBP(国境警備局)のスタッフに囲まれ様々な尋問が始まり、その中で彼らはGal氏に所持品であるiPhone XsとMacBook Proのロックを解除するように要求してきたそうです。

Andreas Gal氏:FireFoxなどで有名なMozillaの元CTO

Gal氏はNDA(秘密保持契約)をアップルと結んでおり、それらのデバイスの中には当時未発表のソフトも含まれていたため当然拒否しました。

そして、上司や弁護士と話させるように要請しましたが、彼らはGal氏には連絡を取る権利がなくロック解除の要求を拒否することは違法だと迫ってきたそうです。

その後は黙秘を続けたGal氏は最終的にデバイスを押収されることなく解放されたようですが、彼が持っていたグローバルエントリーカード(税関の通過を短縮させるためのもの)は剥奪されたようです。

不当な取り調べは市民のプライバシーや権利を脅かす

Gal氏は今回の事件についてすでにアメリカ自由人権協会に申し立てを行なっています。

国境を管理しているCBPにはアメリカを守るために捜査に関して強い権利が与えられており実際にそれが必要な場合もありますが、今回のように理由もわからず拘束された上に会社の機密の開示を強制できるようでは多くの人々がプライバシーについての不安を覚えかねません。

当然このような不容易で過度な拘束と詮索は合衆国憲法でも許されていないとGal氏は考えています。

彼は引き続き申し立てを行い「結局どのような目的で自分が拘束され、なぜそのような行為を強制されたのか」政府に説明を求めていくと話しました。

またAppleは現時点でこの件に関してのコメントを控えています。


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