より安心して中古スマホが買えるように…業界団体がガイドラインを制定

高機能になっていく反面、年々端末代も高くなっていくこともあり選択肢の1つとなるのが中古スマホですが、より消費者が安心して購入できるようにと業界団体がガイドラインを発表しました。
中古スマホの売買における基準は業者によってバラバラ
今回ガイドラインを発表したのは中古端末を取り扱う事業者8社が発起人となって設立された、リユースモバイル・ジャパン(以下、RMJ)。
現在は12社が正会員となっており、中古の買取や販売で皆さんご存じのゲオやソフマップも参加している業界団体となります。
中古スマホの需要が増える中、「赤ロム問題(端末代の支払い未完了で売られた端末)」や「個人情報のデータ消去の課題」などもあり業界として取り組んでいくために作られたそうですよ。
そしてRMJは消費者が安心して中古端末を売買し利用できるようにと、事業者の業務のあり方に関してガイドラインの検討を進めてきていました。
確かに中古スマホの状態を示す説明などが分かりやすい例になると思うのですが、例えばソフマップでは商品ランクとしてSからEを設定。
対してゲオでは商品状態としてAからCとなっており、説明を見れば概ね分かるとはいえ、取り扱う業者によって基準や説明内容も異なっており、買う側としては分かりにくいとも言えます。
このような内容に対して業界としての指針を示すことで、消費者に分かりやすい・売買しやすくしようというのが今回のガイドラインの目的という訳です。
さてその内容ですが、細かく説明していたらキリがないのでざっくりまとめて説明していきますね。
中古端末の売買における遵守する法令関係・流れを明確化
ガイドラインでは、中古スマホ端末の売買における必要な法令関係、ならびに買取から販売までの大きな流れを定めています。
具体的には買取時における端末評価を大きく「安心安全評価」「外装評価」「機能評価」の3つに区分け。
「安心安全評価」のガイドラインにおける要求事項は、かなり具体的なものになっており、端末ロックがかかってないかに始まり、アクティベーションロックの有無やネットワーク制限の確認など、こと細かに指定されています。
また評価項目毎にNGだった場合の対処も示されており、特にユーザー情報に関わる部分に関しては初期化は当然ながら、第3者のチェックや消去ができない場合には廃棄もしくは部品取り用にするなど書かれており、売る側として安心できる内容になっています。
次に例としても上げていたのが「外装評価」。こちらに関してもSからJの5段階が用意されており、さらに販売時の表示例は単純に「多少キズあり」といったものだけでなく端末の状態やどこにどのようなキズがあるのかが分かるようになっていました。
これだけ細かく書かれていたら、納得の上で購入できますよね。
そして最後に「機能評価」では、ボタンや液晶の状態確認に始まり、オペ-レーションガイドでは「バッテリー残量が急激に増減」「バッテリーの減りが極端に早い」「電池の膨張や発熱」などの症状も確認するように求められていました。
購入時の外観からは判断が難しいこのようなバッテリーの細かな状態までチェックしてくれると、買った後にガッカリ…なんてこともなくなりありがたいですね。
ガイドラインはあくまで任意であり強制力のあるモノではありませんが、少なくとも今後、正会員となっている業者においてはこのガイドラインに沿った運用がされていくと考えられます。
まとめ
冒頭にも書きましたがスマホは年々、高機能化に伴って端末代も高くなってきており毎年もしくは2年に1回買い換えというサイクルも崩れつつあります。
また今年の夏には電気通信事業法の改正により、端末代と通信料金の完全分離化が義務付けられ今までの様に通信料を値引く形で端末の実質支払い額を安くすることできなくなるでしょう。
キャリアもそれを考慮した新プランを考えてくるとは思いますが、今までは機種変更やMNPなどで安く端末を購入することも難しくなり、中古スマホの需要は増える傾向になると考えられます。
そうなった時にこのようなガイドラインにより、消費者が安心して買えるようにすることは非常に大事でどんどん進めてもらいたいですね。