TikTokに6億円以上の罰金 同種の罰金では最高額に

若い人たちの間で人気の動画投稿アプリTikTokが個人情報の違法収集問題について、570万ドル(約6億3000万円)の支払いで和解したことが明らかになりました。
これは同種の違法行為に関する罰金としては過去最高額になります。
危険にさらされていた子供の安全
TikTokは15秒の短い音楽や音声に合わせた動画を投稿するSNSの一種で、日本でも中高生を中心に多くの人気を集めています。
親の同意を得ず
今回、米連邦取引委員会(FTC) が問題視したのは彼らが13歳未満の子供達の個人情報を違法に収集していた件についてです。
アメリカの児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)は13歳未満のユーザーから個人情報を収集する際、保護者の同意を得ることを義務付けています。
しかしながら、FTCによりますと、TikTokは13歳未満のユーザーの割合が高いことを知りながら保護者の同意なしで個人情報収集を行い、子供達のプロフィール公開も行なっていました。
また、2016年頃にはユーザーの居住地域の公開も行なっており同アプリを通じて大人が子供に容易に連絡が取れる状態になっていました。
違法行為を認知しながらも続けた疑い
それについて、TikTokのもとにはすでに数千件もの苦情が寄せられており、彼らがこの問題を認知していた可能性は高いにも関わらず、これらに対してしかるべき処置を取らず意図的に子供達を危険な状態にさらしていたことが問題視されています。
TikTokに対する罰金額の大きさは、違法行為を行なった上にその内容も悪質な部分があることが要因と言えるでしょう。
そして一部の議員はこれらの金額が過去最高額にも関わらず将来の違法行為を抑止するにはまだ不十分だと述べているほどです。
米国と英国では対応済み、しかし日本では未対応
今回の件を受けてTikTokはすでに13歳未満の子供は動画の投稿やシェアができないようになっており、保護者が一部の機能に制限をかけられるようにもなっています。
また安全のガイドラインやオンライン上でのエチケットに関するまとめの動画をYouTube上に公開しました。
これらの対応は現時点では米国と英国のみで、日本ではまだ行われていないため私たちは今後もTikTokの動向を注視していく必要がありそうです。