Appleが一部のスパムアプリを見逃していた?指摘後それらを一斉削除

TechCrunchは同じ内容のアプリが複数App Storeに並んでいることについて、これらは明確にApp Storeの規約を違反したスパムアプリであると報告しました。
これを受けてAppleは報告されていたスパムアプリを一斉に削除しました。
ダウンロード数を稼ぐためのクローンアプリを削除
クローンアプリは通常より多くの人の目につくようになるため、ダウンロード数を稼ぎ多くの広告収入を得ることが目的です。
App Storeの規約ではスパム目的でアプリのクローンを複数出すことは認められていません。
しかし、先日までそれを違反したアプリはいくつも存在していました。
その中でもTechCrunchがメインで取り上げたのはVoIPに関するアプリです。
それらのアプリはインターネット回線を利用した電話アプリで、二つ目の電話番号を取得し電話やSNSでのやりとりが可能になります。
問題なのはほぼ同じ内容で、少し名前を変えたりApp Storeでのスクリーンショットを変更しただけのアプリが同じ会社から複数リリースされていることでした。
AppleはTechCrunchの報道を受け、記事の中で取り上げられていたそれらのクローンアプリを削除したことが確認されました。
一番の問題点はApp Storeの審査システム
類似のアプリを複数リリースすることは「App Store審査ガイドライン」の第4条「デザイン」の第3項「スパム」に抵触しています。
そしてこれが要因で削除されることを一部では4.3リジェクトや4.3スパムなどと名前までつけられています。
実は2017年の夏頃からこの4.3リジェクトに関してAppleはかなり厳しい態度をとっておりアプリ削除や開発者アカウント停止の報告が複数上がるようになりました。
そのため、この4.3リジェクトは一部のクリエイターの間ではそこそこ有名な違反なのです。
それにも関わらず、今回のApp Store審査チームは同じ会社に2つ以上のクローンアプリのリリースを許しており、特定のアプリに関してのみクローンアプリのリリースを見逃していたことが今回の一番大きな問題と言えるでしょう。
Apple社のアプリ審査チームは、ほぼ同じ内容とスクリーンショットのiOSアプリがApp Storeに複数あっても問題ないが、既にストアに存在しないアプリと同じ内容のアプリに「4.3 spam」と難癖を付けて最終的にアカウントを削除して年会費を強奪する様な●●な人達なので、何でもありですよね。 https://t.co/ctKs6siK9Z
— SkyArts.com (スカイアーツ) (@SkyArts_dot_com) February 26, 2019
これはApp Storeが一部の開発者に対して何かしらの忖度をしている可能性や審査システムのいずれかに欠陥がある可能性が考えられます。
前者なら問題外ですが、後者ならば開発者にとってはApp Storeの審査基準がいい加減なようにしか受け取られないため早急な対応が求められます。
また今回の事態は開発者の不信感を招いており、App Storeの審査をより透明化することも必要なのではないでしょうか。