AppleとGoogleがサウジアラビアの”女性差別”的なアプリの調査を開始

アップルがサウジアラビアのアプリ「Absher(アブシャー)」を女性の権利を侵害しているとして調査を開始していることが分かりました。
またアメリカの上院議員であるロン・ウィデン議員もこの件に関してアップルとグーグル宛に書簡を送り、同アプリをストアから排除要請する事態になっています。
アブシャーとは
アブシャーとはサウジアラビアの政府が提供しているアプリで、罰金の支払いや政府が提供するWEBサービス等を利用するために使われています。
ところがこのアプリには女性の差別に繋がる機能も搭載されており、今回はそれが問題になっているようです。

サウジ皇太子と話をするティムクック氏 (Image : mofa.gov.sa)
同アプリよって女性の自由が制限されている
サウジアラビアでは女性の権利が大きく制限されており、女性は彼女らの保護者に当たる後見人の許可なしに国外へ出ることが禁止されています。
アブシャーには男性向けの機能が用意されており、彼らはその中で女性の海外渡航やその計画をコントロールすることができるのです。
具体的には女性の行動の監視と旅行の記録、それにパスポートが使用された際には通知が来るようになっています。
これには複数の人権団体が抗議をしており、批判はそのアプリを公開しているアップルやグーグルに対しても向けられています。
AppleとGoogleは共に調査中
当初、アップルのCEOであるティム・クック氏はこの件について
I haven’t heard about it, but obviously we’ll take a look at it if that’s the case.
そのアプリについて聞いたことはありませんが、もしも話の通りであればアップルはそのアプリを注視していきます。
とコメントしていました。
そして先日アップルが実際に同アプリの調査を開始していることが明らかになりました。
またグーグルからは調査中というコメントが出されたのみで詳細は明かされていません。
調査結果次第ではApp StoreやGoogle Play Storeから削除される可能性は高く、今後の動向が注目されます。