MinecraftやポケモンGOも!?海賊版がAppleのサービスで配布されていた模様

先日、FacebookやGoogleがスパイアプリを配布してAppleに制裁されたとお伝えしましたが、この件に利用されていたサービスが他にも悪用されていた事が明らかになりました。
なんと有名なアプリの違法改造を施された海賊版など多数のアプリが、Appleの開発者支援サービス『TestFlight』で配布されていたようです。
TestFlightのアプリをAppleは監視しない
今回の件で明らかになったのは、『TestFlight』を利用して違法改造を施された人気海賊版アプリ、アダルトアプリ、ギャンブルアプリが不正に配布されていたという事実。
『TestFlight』は開発者なら誰でも無料で利用する事ができ、ユーザーもiPhoneなどに特別難しい作業なくアプリをインストールできるようになっており、ストア公開前のアプリを開発者や関係者などでテストしたりするためのアプリ配布サービスです。
このサービスはアプリ配布を目的としたサービスではあるものの、サービス目的が「開発中のアプリのテスト」であるため、配布用にアプリが登録されてもAppleの審査や監視などは行われていませんでした。
そこに目をつけた悪意ある開発者が、人気アプリの海賊版やそもそもストア公開を認められていないアダルト・ギャンブルアプリを登録し、不特定多数のユーザーに配布していたと言うのです。
被害に遭った有名アプリには『Minecraft』や『PokémonGO』といった人気ゲームアプリの他、『Spotify』のようなストリーミングサービスアプリも含まれていたとの事。
この海賊版を利用していたユーザーによれば、「正規版より安定して動いていた」と話しているそうですが、これらのアプリはAppleや発売元に還元しない形で年間購読料を請求し、本来課金しなくてはならないサービスを比較的安価で利用できたそうです。
Appleや発売元からしたら、本来あるはずの売り上げをかすめ取られた形になりますね。
しかも、これらのアプリはAppleの審査を受けた安全なアプリではないので、ユーザーに悪意ある挙動、例えば情報を盗み出したり端末を乗っ取るような仕組みが組み込まれていても不思議ではありません。
現在Appleは判明している範囲でこれらのアプリを強制的に削除など対応を開始しているそうですが、そもそも監視・審査していなかったサービスだけに、かなり後手に回っているようです。
せっかく開発者支援のために用意されたサービスがこのような形で悪用される事となり、もしかしたらテスト版でもAppleの審査が入り迅速なテストやアップデートなどができなくなってしまう可能性も出て来ました。
まとめ
Appleや発売元にはいるはずの利益を掠め取り、しかも開発者支援のためのサービスを悪用したとあって他の開発者らも気が気ではないでしょう。
こういったアプリをインストールするだけで端末にどのような悪影響が発生するかも定かではありませんから、読者の皆さんはこうした危険なアプリはインストールしないよう気をつけてください。