【なぜ?】NetflixはiOSアプリからの新規登録を終了

動画ストリーミングサービス大手であるNetflixが同社のiOSアプリから新規登録受付を終了すると発表しました。
なぜNetflixは今回このような決断をしたのでしょうか。
Netflixへの登録は今後ウェブからのみに
2018年5月にGoogle Play経由での登録を終了していたNetflixですが、今後はiTunes経由での登録の受付も終了すると発表しました。
しかし、終了するのは新規の受付のみで、既にサブスクリプションを利用中のユーザーは支払い方法としてこれまで通りにiTunesを選択できるとのことです。
今回の変更は、Netflixアプリを通じての支払いや登録ができないというだけで、iPhoneからの登録支払いができないという意味ではありません。
SafariやChromeなどのブラウザアプリを経由すれば今まで通り登録できます。
では、なぜNetflix側はわざわざユーザーの支払い手段を狭めるような決断をしたのでしょうか。これには、いわゆる「Apple税」が関係しています。
Appleは年間数百億円以上の利益を失うことに
Appleはサブスクリション(定期購読)形式で支払いが行われるアプリに対して手数料として、1年目は30%、2年目以降は15%を売り上げから徴収しています。
このため同タイプのアプリには、アプリ経由の支払いに通常料金+手数料としているものもあります。
Sensor Towerの調査によると、Netflixは世界で一番売り上げが高いiOSアプリであり、$853 million(900億円以上)の収益を達成しています。
そしてAppleはその収益のうち300億円近くを手数料として徴収しているとSensor Towerは予想しています。
これはつまりNetflixは2018年に平均すると1日2.5億円を売り上げており、Appleが手数料だけで毎日最低でも7千万円以上の収益を得ていたことを意味します。
Netflixほどの売り上げになるとこの手数料も決して無視できない金額となっており、それが今回の決定につながったと思われます。
ちなみに、Netflixは今年の5月に既にgoogle play経由での受付を終了していましたが、今年は既存の登録者による支払いだけで100億円以上を売り上げており、googleは手数料で数十億円を得ています。
Appleにとって今回の決定は大きな痛手になりますが、Netflixからの利益がすぐになくなるわけではなさそうです。
iPhoneユーザーへの影響
前述の通りNetflixアプリからの登録が終了しただけであり、ブラウザからの登録は今まで通り可能です。
また、支払いもiTunes経由以外の方法、例えばクレジットカード払いなどが用意されています。クレジットカードの登録に抵抗がある方はプリペイド方式のカードも使えます。
もちろん既存のNetflix会員は今まで通り使えるため、iPhoneユーザへの影響はほとんどなさそうですのでご安心を。