【疑惑】iPhone XRはAndroidユーザーに人気!という怪しいデータが公表される

投稿日:

by yoshimitu

CIRPというアメリカの調査会社が「iPhone XRの売れ行きは決して悪くない」「iPhone XRはAndroidユーザーからの乗り換えるほど魅力がある」というデータを公表しました。

日本の各メディアがそれを取り上げているのですが、ちょっと怪しいので突っ込んじゃいますよ。

iPhone XRが一見好調っぽいという話

こちらのグラフはiPhoneの機種ごとの販売シェアのデータになります。水色がiPhone XRで薄い紫色はXS MAXです。

CIRP曰く、昨年のiPhone Xや8同様のシェアを持っているので、iPhone XRの売れ行きは悪くないとのことです。

また今回iPhoneを買ってるユーザーは82%がiPhoneユーザーで16%がAndroidからの乗り換えだったそうです。

ちなみに去年は87%がiPhoneユーザーで12%がAndroidからの乗り換えだったので大幅に伸びてるように見えますよね。

ちなみにGIGAZINさん曰く、この数字を「45%増」と表現しています

AndroidからiPhone XRへの乗り換えユーザーは33%増、iPhone Xと比べると45%増となっており、iPhone XRは2017年モデルと比べてAndroidユーザーにとってより魅力的な端末であることが数字から明らかになっています。

ただし、この数字は明らかにミスリードです。

この数字もグラフもちょっと胡散臭いんですよね…。

iPhoneXRが売れてるなら台数を公表すればいいのに

先ほどのグラフは「iPhone」の機種の”販売シェア”のグラフです。

したがってiPhone XRのシェア率がiPhone 8やXと同等であったとしても、そもそもiPhone自体の売れ行きが芳しくないのであれば「iPhoneXRの売れ行きが好調だ」という証拠にはなりません。

またandroidユーザーを取り込む力が強いかどうかについても同様です。「45%も増えている」という数字はAndroidからの乗り換えが「去年は全体の12%」「今年は全体の16%」がそうだった、という数字の比較から計算された割合になります。

となると、去年ほどiPhoneが売れていないのであればこのAndroidユーザーを取り込む割合が「45%増えた」という数字は全くの無意味になります。

売れゆきが微妙なiPhone XR

では実際にiPhone XRが売れているかどうかですが、「販売シェア」ではなく「使用率のシェア」をみると傾向がハッキリします。

mixpanelによるとiPhone XRは販売開始5週間で全iPhoneXRの中での使用率は「1.5%」でした。

一方、iPhone8と8plus、iPhoneXの使用率は販売開始5週間で”それぞれ”「3.5%」程度を記録しています。使用率だけをみればiPhoneXRの数字は半分以下となります。

関連:iPhone XRは一番売れてるけど、売れてないことが判明

つまりiPhoneXRは過去の機種と比べると売れているとは考えにくいです。

そしてiPhone XRがAndroidユーザーを取り込む力が強いかどうかですが、Androidユーザーからの乗り換え需要が一定であるならばiPhoneの売れ行きが鈍れば必然的にAndroidからの乗り換えの割合は大きくなります。

したがってCIRPのデータはめちゃくちゃ怪しいな、と思った次第でした。

それにしても、先ほどのグラフはどのような意図で作られたものなのでしょうか…。謎ですよね。


関連記事