スピーカーから音を流すだけでPCがクラッシュ!?恐ろしい「ブルーノート攻撃」とは

ウィルスの感染などによってパソコンが起動しなくなる事はありますが、「スピーカーから音を流すだけでパソコンがクラッシュする」と聞いたら皆さんはどう思うでしょうか。
今回は、こんな嘘のような本当の話「ブルーノート攻撃」について紹介します。
特定の音でPCがクラッシュ「ブルーノート攻撃」
情報セキュリティ会社ESETが「音を発生させるだけでPCをクラッシュさせてしまう『ブルーノート攻撃』」について紹介しています。
PC付属のスピーカーや、近くに置いたスピーカーなどから特定の音を流す事で、PCを簡単にクラッシュさせる事が出来るようです。
その仕組はというと、特定の音を流す事によってHDD内の部品が振動し、その振動が設計上の許容量を超えると物理的ダメージまたはソフトウェア的に問題を起こしてクラッシュしてしまうというもの。
この現象はHDDを搭載しているPCにのみ起こるので、最近主流になりつつあるSSDを搭載したモデルには影響無いそうですよ。
この「ブルーノート攻撃」とも呼ばれる攻撃を実演した動画があるので、気になる方はご覧下さい。クラッシュするまでの流れは8分30秒あたりから見ることができます。
実際に映像を見ると分かるのですが、音を流し始めてすぐにクラッシュするわけではなく、クラッシュするまでには数分程度かかるようですね。
また、この攻撃が悪用されるのはPCに対してだけでは無いとされています。
特に危険視されているのは「監視カメラ」。世の中に設置されている監視カメラの中にはHDDに映像を記録しているモデルもあります。
特定の音を流している間はHDDが正常に動作しなくなるので、監視カメラの映像が正しく記録されないという事。「もしこれが犯罪者集団に悪用されたら…」と考えるとゾッとしてしまいます。
この問題に関して注意喚起を行った研究者らによると、この問題はHDDのファームウェアを更新する事で解決出来るとのこと。
万が一に備えて各メーカーは早めに対策を取ってほしいところですね。
加えて安心材料として、PCをクラッシュさせる「特定の音」というのが約120dBといういわゆる超大音量の音であることがあげられます。120dBというと、飛行機のエンジン音がこれに相当するので相当な音量…。
PCに付属のスピーカーでここまでの音量が出せるのかも不明ですし、出せたとしてもHDDよりも前にスピーカーが壊れる気がしないでもないです。
以上、PCの近くで特定の音を発生させるだけでクラッシュしてしまう「ブルーノート攻撃」について紹介しました。
しかしこの「特定の音」というのがある一定の条件を満たした超大音量という事で、被害に遭う前に気づける人がほとんどなのではないでしょうか。
今すぐ心配しないといけないという問題でも無いかもしれませんね。