iOS 11.4ではセキュリティが進化!?ハッキングツールに対抗するための新モードが搭載か

つい2ヶ月前にもご紹介した「iPhoneハッキングツール」。
主に捜査機関が使うことが想定されているようなので、このツールを実際に使われてしまう人はごくごく少数だと思いますが、Appleも黙って指をくわえているわけではないようですよ。
今月中にも公開されるとみられるiOS 11.4では、このハッキングツールの脅威を多少軽減させるかもしれない「USB制限モード」が搭載されるようです。
端末が7日間アンロックされないとUSB接続をロック
2ヶ月前の記事でもご紹介しましたが、Appleは顧客のデータを守る姿勢を見せている企業です。
裁判所などを通じた正式なロック解除依頼には応じているものの、それ以外の目的のために第三者によるロック解除を許してはいません。
とはいえ、世の中にはそんなiPhoneをハッキングするためのツールが出ているのも事実。
5月中に公開されるとみられるiOS 11.4では、このツールによる脅威を軽減させるのに役立つ可能性のある「USB制限モード」を導入するとみられることが明らかになりました。

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この「USB制限モード」は、iOS 11.4のiPhoneがアンロックされずに7日間経つと切り替わるもので、このモードに入ると、そのiPhoneのLightningケーブルでのデータ通信が制限され、Lightning端子は充電専用の状態になってしまいます。
iPhoneハッキングツールはLightningケーブルを経由してiPhoneから情報を抜き取るので、このモードに一度入ってしまうと、ツールを使ってデータを取り出すことができなくなるというわけ。

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ただElcomsoftのブログでは、この「アンロック」という表現について、
- パスコードによるアンロックなのか
- パスコードもしくはTouch IDもしくはFace IDによるアンロックなのか
- 信頼されたUSBデバイスもしくはコンピュータに接続することによるアンロックなのか
このうちのどれを指すのかはまだ明らかになっていないとのことです。

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「USB制限モード」になった端末でも、持ち主がアンロックを行うことで普段通りの状態に戻ります。
国家機関や捜査機関によるハッキングツールの使用以外にも、もし端末をなくした場合にデータの流出の可能性を少しでも下げるという意味ではアリかもしれませんね。

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結局のところ、このモードになったところで、7日間以内に捜査機関がiPhoneをハッキングツールに繋げられてしまえばこれまで通りアンロック出来てしまうと予想されるので、この手法はセキュリティ対策としては決定打とは言えなさそうです。
ただ、少しでもAppleが顧客のデータ保護を尊重しようという姿勢は見えてくるわけで、この点においてはなんとも頼もしい限りですね。