Apple社員ら12人が昨年逮捕されていた!?その理由は…情報のリーク

最近はAppleの発表イベント前に、新製品や新サービスの情報がリークされることが多いですよね。
Appleもある程度は許容しているのかな?と思ってしまうぐらい情報量が多いのですが…この度、Appleが社員に対し「リークをやめろ」「リークが判明した場合、法的措置を取ることもある」と警告していたことがわかりました。
実際、これまでに12人が逮捕されているようですよ…!
Appleが情報漏えいについて警告
以前は「徹底した秘密主義」と言われていたApple。しかしいつからか次期iPhoneや新製品、新サービスの情報が次々とリークされるようになりましたよね。
一部では「注目を集めるためにApple自ら情報をリークしているのでは?」なんてことも言われていますが、AppleはFBIやシークレットサービスの元職員を雇用するほど、社内機密を守ろうとしています。
しかしそれでも情報漏えいは防げていないようで…今回、Apple社員のみが閲覧できる社内ブログにて、
- 情報をリークするな
- リークが判明した場合、法的措置を取ることもある
- 昨年だけでも29人の情報漏えい者を特定し、うち12人が逮捕された
との通達があったそう。
ちなみに逮捕された12人全員がAppleの社員というわけではなく、サプライチェーンの従業員などもいたとのことですよ。
Appleが情報漏えいに激怒しているのが伝わってきますが…「社員のみが閲覧できる社内ブログの内容」が外部に漏れてしまうとは、なんとも皮肉ですね(;´Д`)モレテルヨー
米メディアBloombergにて社内ブログの内容が掲載されていましたので、以下意訳でご紹介します(※長文注意)。
Appleは先月、「ソフトウェアロードマップ」に関する極秘会議の詳細をリークした社員を解雇しました。数百名のソフトウェアエンジニアが出席し、数千人が会議記録を受け取っていましたが、たった1人が全員の信頼を裏切ったのです。
情報をリークした者は、後に「バレないだろうと思った」と語っていました。しかしAppleの社員、コントラクター、サプライヤーの誰であろうと、情報を漏らした者は見つかるのです。
リークした者の多くは、故意にリークしようと思ってしたわけではないでしょう。しかしAppleの仕事をしている人はターゲットになりやすく、LinkedInやTwitter、Facebookなどを使って記者やブロガーなどが接触してきます。
彼らはちやほやとお世辞を述べてきますが、それは情報を引き出すために利用されているのだと覚えておくことが重要です。
彼らはAppleの秘密を入手し公開すること=成功であり、未発売のApple製品の情報をスクープすれば彼らは儲かりますが、情報をリークした者はすべて失うことになるのです。
情報流出の影響は、プロジェクトに関わっている人たちだけではありません。
Appleで働くすべての人を傷つけ、そして開発に費やされた時間を無駄にしてしまいます。
UIKitのリーダーJosh Shaffer氏は「数千人が何ヶ月もの時間を費やして作り上げたものが流出しているのを見るのは、私たちにとって壊滅的なことだ」と述べています。
リークの影響は特定のプロジェクトに関わっている人々だけでなく社内全体であり、新製品についてのリークは現在販売されている製品の売上に影響を与える可能性や、ライバル企業に対抗製品を作るための時間を与えてしまう=新製品が売れなくなってしまうのです。
製品マーケティングのGreg Joswiak氏は「我々は、Appleの製品がいかに他社には真似出来ない、優れている製品なのかを顧客に伝えたい」と語っています。
Appleは情報漏えい者を見つけるために多くの投資をしています。
昨年9月のスペシャルイベントの直前、ある社員がiOS 11のゴールデンマスター版(※開発最終版)を記者にリークしましたが、彼もまた「バレないだろう」と思っていたようです。
このゴールデンマスター版には、イベントで発表されるソフトウェア、そしてiPhone Xを含むハードウェアについての情報が含まれていました。
数日後、内部調査によってリークした人物が見つかり、解雇されています。
グローバル・セキュリティのデジタル科学捜査でも、9to5MacにiPhone XやiPad Pro、AirPodsなどを含む新製品の情報を漏らした複数の社員が特定されています。
サプライチェーンの従業員も同じく逮捕されています。
グローバル・セキュリティはAppleの知的財産を守りつつ、必要以上の情報を得ようとした個人の特定をサプライヤーと協力して行っています。
さらに物理的・技術的な脆弱性を特定し、セキュリティレベルがAppleの求めるレベルに達しているかを常にサプライヤーと連携して確認。
こういったプログラムにより試作品や製品の盗難を防ぎ、情報漏えい者を特定、情報の流出を防止しているのです。
情報漏えい者はAppleの仕事を失うだけではありません。ネットワークへの侵入や企業秘密の漏えいは犯罪であるため、懲役刑や巨額の罰金が科せられる場合があります。
2017年、Appleは29人の情報漏えい者を特定し、そのうちAppleの社員やコントラクター、サプライヤーなど12人が逮捕されました。
彼らは仕事を失うだけでなく、今後、仕事を見つけるのが難しくなる可能性があります。
グローバル・セキュリティのTom Moyer氏は、「情報漏えいによる刑事罰は現実であり、それが永久に個人的・職業的なアイデンティティとなってしまうのです」と語ります。
情報漏えいは深刻な結果をもたらしますが、それは完全に回避することが可能です。リークしたらどうなるか、きちんと考えていない場合の結果ということです。
製品マーケティングのGreg Joswiak氏は以下のように述べています。「みんな、人生で最高の仕事をしようとAppleに来ている。会社にいる13万5,000人全員が貢献しているんだ」「この貢献への称賛は情報のリークではないよ」