「Touch IDは俺の特許!」韓国企業がAppleとサムスンを相手取り訴訟を起こす

2013年に登場したiPhone 5sで初めて搭載された指紋認証システム「Touch ID」。iPhone XでFace IDへと移行してしまいましたが、今も「Face IDよりTouch IDの方が良い」という声が多く聞かれますよね。
さて、Androidスマホにも多く搭載されている指紋認証システムですが…「Appleもサムスンも、俺の特許を侵害している!」と主張する企業が。一体、何者なのでしょうか(;´Д`)
2011年に特許をとっていた?
韓国メディアBusiness Koreaによると、韓国の「First Face」という企業がAppleとサムスンを相手取り、米カリフォルニア州サンノゼの裁判所にて訴訟を起こしたとのこと。
一体なにを訴えたのかというと、Touch IDに使われている技術のうち3つの米国特許をFirst Faceが保有している=特許を侵害している、ということのようですね。
First FaceのCEO、Jung Jae-lark氏は「ホームボタンに搭載された指紋認証センサーに指を押し当てることにより、直ちにロックが解除される技術の特許を2011年に取得している」と主張しています。
またFirst Faceのもう1人のCEOで、ニューヨーク州立大学韓国キャンパスの教授Shim Young-tack氏は「Jung氏の発明はまったく新しいもので前例はなかった」「Appleに特許のライセンス供与を提案したが断られた」と述べています。
しかし2013年に登場したTouch ID、なぜいまさら訴訟を?と思ってしまいますが、どうやらFirst Faceは訴訟を起こすために作られた企業のようで…いわゆる「パテント・トロール」というやつですね。
パテント・トロールについて詳しくはこちらでご紹介しているのですが、簡単に言うと「特許を侵害していると目をつけた相手に対して、巨額の賠償金やライセンス料を得ようとする企業」のこと。
特許を保有しているだけでそれを活かす製品やサービスを作り出すことはせず、ただ訴訟を起こすだけという厄介な存在なのですが、特許は特許。
Appleは他のパテント・トロールとの裁判にて、特許を侵害したとして600億の支払いを命じられたこともあります。

Photo via Visualhunt.com
ちなみにFirst FaceはTouch ID以外にも「顔認証や虹彩認証に基づくロック解除技術の特許」を保有しているそうで、今回のTouch IDだけでなくFace IDについての訴訟も起こす可能性があるようですよ。
果たして裁判の行方はどうなるのか。First Faceが勝てば、相当な額の賠償金支払い命令が下されることになるでしょうが、そもそもこのようなパテント・トロールを取り締まることはできないのか…と思ってしまいますね(;´Д`)