政府が海賊版漫画サイト対策に言及「接続遮断も含め検討している」

違法ではないと主張し続け、某サイトは有料サービスまで発表してしまう漫画などの海賊版サイトですが、政府も問題を認識しており対策を検討していることが明らかになりました。
サイト接続の遮断を含めて方策を検討
もはや説明する必要もないくらい知られることとなった、漫画の海賊版サイト問題。
最近では海賊版サイトにも関わらず有料サービスを発表するなど、まさにやりたい放題な訳ですが、この問題どうやら政府でも問題視しており、対策を検討していることが分かりました。
時事ドットコムの記事によれば、19日の記者会見で菅義偉官房長官がこの海賊版サイトに関して言及したそうなんです。
その内容は、以下の通り。
「被害が深刻化していると認識している。サイトブロッキングを含めてあらゆる方策の可能性を検討している」
引用元:時事ドットコム
政府としてもこの問題を認識しておりサイトブロッキング、簡単に言えば接続遮断も視野に検討しているという訳です。
具体的どのような形で接続の遮断が行われるかですが、安心ネットづくり促進協議会に分かりやすい解説が載っていました。
まずは普段私たちがインターネットを閲覧している時にどんな動きをしているのかを概略図にしたものが以下の通り。(細かいことは省略しています)
サイトブロッキングはこの図で言う、真ん中に位置するプロバイダなどに接続した段階で特定のURLを遮断するという形になると思われます。
このようなサイトブロッキングはBUSINESS LAWYERSの記事によれば、EU・イギリスなど42ヶ国ではすでに導入されているとのこと。
導入理由は様々で、海外での事例は以下の通り。
- 児童ポルノ対策
- 著作権侵害
- 投資詐欺
- テロ関連サイト
- 賭博への対策
実際にイギリスで2014年11月に53の著作権侵害サイトをブロックした事例では、海賊版サイトへのアクセスは90%減少、合法的なストリーミングサイトへのアクセス率は10%上昇したそうです。
そうなると効果も分かってるならさっさと導入すればいいのにという話になるのですが、1つ引っかかるのは以下の法律上の問題。
日本国憲法第21条第二十一条
①集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
②検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
電気通信事業法第4条
(秘密の保護)
第四条 電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
2 電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。
簡単に言えば、サイトブロッキングは利用者がどのサイトを見ているのかをプロバイダなどがチェックして、接続を遮断するという形を取るため通信の内容を見る必要があり、それが上記法律の通信の秘密を侵害しするのではという声もあるんですよね。
そのようなことがあり簡単に…という訳にはいかないようなのですが、このまま放置もしておけない問題なのは誰もが知るところ。
さきの菅義偉官房長官も
「漫画やアニメはクールジャパンを代表する重要なコンテンツだ。漫画家やクリエーターの収益が奪われることはコンテンツ産業の根幹を揺るがす事態となりかねない」
引用元:時事ドットコム
と述べており、法律的な問題も含め早急な対策に期待したいところです。