車椅子の天才物理学者スティーヴン・ホーキング博士とAppleの意外な接点とは…

難病を抱えた「車椅子の天才物理学者」として知られるイギリスのスティーヴン・ホーキング博士が死去したと、14日に報じられました。
独創的な宇宙論を発表し続け日本にもファンが多い博士ですが、実はAppleと意外な接点があったってご存知でしたか?
博士とAppleの意外な接点とは
イギリス・オックスフォードに生まれたスティーヴン・ホーキング博士は、ケンブリッジ大学大学院在学中に「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と診断され、車椅子生活となりました。
しかしその後もブラックホールや相対性理論に関する画期的な研究に取り組み、1977年からはケンブリッジ大で教授を務めたり、1988年には世界的ベストセラーとなった書籍「ホーキング、宇宙を語る」を執筆。

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イギリスのみならず世界でもファンが多く、今回の訃報は残念でなりませんね…。
NASAやMicrosoftなどが追悼の意を表す中、AppleのCEOティム・クック氏も「知識における最大の敵は無知ではなく、知っていると錯覚することだ」というホーキング博士の名言とともに「私たちは彼の人生とアイデアにこれからもインスパイアされるでしょう。安らかにお眠りください」と言葉を贈っています。
“The greatest enemy of knowledge is not ignorance, it is the illusion of knowledge.” -Stephen Hawking. We will always be inspired by his life and ideas. RIP.
— Tim Cook (@tim_cook) 2018年3月14日
もちろん世界の多くの人々と同様、Appleも偉大で優秀な科学者であるホーキング博士からインスピレーションを得ていたと聞いても驚くことはありませんが、実はそれだけではない接点がAppleとホーキング博士の間にはあったんです。
1960年代にALSを発症したホーキング博士は、1970年代後半にはほとんど話せなくなるほど病状が悪化。当初は家族や友人と口頭でコミュニケーションがとれていたそうですが1985年、ついに話せなくなってしまいます。

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そこで頼ったのが、テクノロジー。
1984年スティーブ・ジョブズ氏は合成音声で自己紹介するMacintoshをお披露目しましたが(以下の動画の3:00〜)、同年、Dennis Klattというマサチューセッツ工科大学のエンジニアがホーキング博士の合成音声を作成し、言葉を選択すればそれに応じて音声が発せられるというプログラムを作り上げます。
そしてこのプログラムを初めて動作させたコンピューターこそ、Appleが1977年に世界で初めて個人向けに完成品として大量生産・大量販売したパーソナルコンピュータ「Apple ll」だったそう。
このプログラムによって、ホーキング博士は「1分間に15単語話せる能力」を得て、まさに天才物理学者が素晴らしいアイデアを人々に伝えるための重要な技術となったわけですね。
プログラムを作ったのはAppleではありませんし、その後のホーキング博士のキャリアに影響を与えたというほどの接点ではないかもしれません。
しかしApple llがホーキング博士を助け、さらにホーキング博士のアイデアがAppleに影響を与えた…と考えると感慨深いものがありますね。
心からご冥福をお祈りします。