全ゲームが影響を受けるレベル…コロプラとの裁判で争点となる任天堂の特許内容が判明

先月1月に任天堂の特許を侵害しているとしてコロプラが訴えられた件に関して、裁判記録から任天堂の特許の影響の大きさが明らかになりました。
コロプラだけでなく他にも影響及ぼしそうな任天堂の特許
コロプラの『白猫プロジェクト』にて特許侵害で任天堂が、44億円の損害賠償を求めていると報じられたのは先月1月の話。
一体どの内容が侵害になっていたのか当時から話題になっていましたが、先日行われた裁判の裁判記録から争点となる特許の内容が見えてきました。
特許というとなかなかその内容は難しいのですが、いつも特許の解説で分かりやすい記事を公開されている弁理士 ITコンサルタントの栗原潔が、本件について記事にされていたのでご紹介します。
現時点で争点となる特許は5つあるのですが、その1つ目は当初から言われていたプニコンに関するものでした。
特許の番号とその概要説明に関しては以下の通り。
特許3734820号 ゲームプログラム、ゲーム装置、および入力装置
画面上の任意の場所をタッチする等により原点(基準座標)を設定して、その後にドラッグすることで、ジョイスティック様の動作をさせる
引用元:任天堂がコロプラを訴えた根拠となった特許の番号を推理する(栗原潔)
プニコンを売りにしたゲームは『白猫プロジェクト』だけでなく『白猫テニス』やサッカーゲームなど多岐に使われていますので、これを特許侵害と言われるとコロプラにとってはかなり痛いことになるのは間違いなし…。
残りの4つは今回の裁判記録で判明したのですが、2つ目もキャラの操作に関係がある特許内容となっております。
特許4262217号 「ゲームプログラム及びゲーム装置」
どういう特許かというと、自キャラを操作して敵キャラに近づいた時に操作を解除(典型的にはタッチスクリーンから指やペンを離す)した時に、敵キャラに十分近い時には自動的に攻撃等を開始するという操作方法の特許です
これに関しては裁判記録を閲覧したWSJの記者さんのツイートにヒントがありまして…
コロプラvs任天堂裁判記録閲覧報告2:
— Takashi Mochizuki (@mochi_wsj) 2018年2月19日
訴えている点は
1: プレイヤキャラクタの移動操作に関して
2: チャージ攻撃操作に関して
3: 端末におけるゲームへの復帰に関して
4-a: アプリをインストールした端末およびシステムに関して
4-b: 実行される通信ゲーム方式に関して
5: シルエット表示に関して
訴えの内容に「チャージ攻撃に関して」とあるので、『白猫プロジェクト』で考えれば長押しでの溜めから出せるスキル攻撃のことと思われます。
プニコンに続いてゲーム性に影響するスキル攻撃まで指摘されてしまうと、特許回避となれば操作方法をガラッと変えるしか逃げ道はないような。
3つ目は正直驚きのスリープからの復帰に関する特許。
特許4010533号「ゲーム機、電子機器、および省電力モード管理プログラム」
この発明のポイントは、スリープモードから復帰した時に、いきなりゲーム画面に戻るのではなく、一度確認画面を出して本当に戻ってよいかを確認してからゲーム画面に戻るということです。
これは戦闘画面中に一度アプリを閉じて、再度開いた時に出てくるこの画面を指していると思われます。
これすら特許が取られててダメなのかというレベル。
そして気になったのは、他のゲームよく見かけるのが途中で辞めてタイトル画面になってしまった時の確認画面はどうなるんだろう?という話。

画像はドッカンバトルのもの
もはや当たり前に見過ぎててこれすらも引っかかるとなると、その影響範囲が広すぎですよね。
しかもこの特許、出願されたのは2001年。初代iPhoneですら発売が2007年ですからね。
4つ目は、いわゆるフレンドとのマルチプレイに関係する特許です。
特許5595991号「通信ゲームシステム」
通信ゲームで相互に登録済のユーザーとしかゲームをしないという制限をかけるという特許です。
昔から携帯ゲーム機で通信対戦などを出している任天堂らしい特許でもあるのですが、これまた出願は2005年。ちゃんとこういう特許を押さえてる任天堂さんほんとすごいとしか言いようがありません。
最後はゲーム内におけるキャラの表示に関するもの。
特許3637031号「ゲーム装置およびゲームプログラム」
特許のポイントは、プレイヤーのキャラが物体の影に隠れた時の表示方法です。
3D表示のゲームの場合、画面内のオブジェクトの後ろ側にキャラが回り込むとシルエットの表示になったりしますよね。これも任天堂の特許のようです。
これまたいろんなゲームで似たような表現が多数あると思いますので、任天堂が本気出したら…と言えるでしょう。
ということで、以上コロプラが訴えられている裁判での特許内容に関して見てきましたが、改めてこうやって見てみると今や当たり前のように見かけるものがことごとく任天堂の特許だということがよく分かりますよね。
厳密に定義していけば、今回のコロプラへの訴えのように特許侵害で訴えることもできるゲームは山のようにあると思いますが、そこをやらない辺りが任天堂のやさしさというところでしょうか。
そんな仏の任天堂に裁判へ踏み切らせてしまう程とはどんなやり取りがあったのかは分かりませんが、素人目にはどう考えてもコロプラが不利としか思えません。
また今回の件がきっかけで、抵触している特許に関して他のゲームが訴えらえる前に回避策を取るのかなどの影響も注目されます。
裁判は始まったばかりでこれからどうなるか分かりませんが、続報が入り次第またお伝えしたいと思います。