泥沼に決着?Appleがクアルコムを切りIntelに総切り替えか

泥沼な上に長引いているAppleとクアルコムの様々な争い、ついにApple側の対応で一方的に決着が着くかも知れません。
KGI証券のアナリストがこの度、「iPhoneで使用されるチップはIntelで統一される可能性がある」と発表したのです。
クアルコムにとっては致命的
Appleとクアルコムと言えば、報酬面や契約面などでお互いに訴訟し合っている状態で、サプライヤーの関係とはいえ良好な関係とは言い難いです。
この関係になってからはお互いにリベートやロイヤリティの支払いを拒否する形を取っており、現状は「取引先」と言うよりは「敵対組織」といった状態に。
この状態は長く続くと思われていたのですが、先日LGI証券のアナリストであるミンチー・クオ氏は「iPhoneで使用されるチップはIntelで統一される可能性がある」と発表しました。
以前は特許や技術力の問題で、お互いにいがみ合いながらもクアルコムのチップでなくてはiPhoneを製造できないと考えられていたのですが、Intelの技術力がクアルコムを上回りつつある模様。
Appleとクアルコムのやりとりはザックリ下記の通り。
- 多数の国の公正取引委員会がクアルコムに独占禁止法違反を調査開始
- クアルコムはAppleが裏で糸を引いていると憶測
- クアルコムがAppleへのリベート支払いを拒否
- Appleは支払われなかったリベートについて賠償金請求
- 問題長期化を受けてAppleがクアルコムへのロイヤリティ支払い中止
- クアルコムがITCにiPhoneのアメリカ輸入禁止等を訴える
- ITCがAppleへの調査を開始
- クアルコムが中国でiPhoneの販売・製造禁止を訴える
Appleにとってクアルコムのチップは「他社を頼りたいが他社が作れないチップ」であり、訴訟し合っていても頼らざるを得ない存在でした。
それがIntelのチップ技術によって覆るのであれば、突然リベート支払い拒否やiPhoneの販売禁止を訴えてくるサプライヤーを頼る必要はありません。
ちなみにクアルコムは、リベートの支払い拒否からくるAppleからのロイヤリティ支払い打ち切りにより、決算にて営業利益が96%も減少したと報告しています。
実際にIntelはAppleが求める高水準のチップ開発に成功しており、これまで強い立場を利用してきたクアルコムはいよいよ苦境に立つ事になるでしょう。
まとめ
Appleからのロイヤリティを打ち切られただけで96%も利益が減っている時点で勝負は決している気がしますが、今回の件はクアルコムにとって正に悲報としか言いようがないでしょう。
あくまでアナリストの発言ではあるのですが、実際にIntelが高性能チップを開発できているので、次期かそれ以降のiPhoneでモデムチップがIntel製に統一されるのかも知れません。